「考えるための道具」は誤り指摘し、解説もする――ジャスト、ATOK/一太郎/花子新バージョン発表(2/3 ページ)
ジャストシステムは、ATOK、一太郎、花子の新バージョンを発表、2005年2月より発売する。前バージョンで「考えるための道具」としてリリースすると掲げたテーマはさらに進化し、文字入力から文書作成まで、さまざまな作業支援を行う機能を搭載した。
動詞に対する文脈処理や、謙譲語と尊敬語の誤りも修正可能となったATOK2005
ATOK2005は、新たに「同読みの動詞に対する文脈処理」を理解する機能や、謙譲語と尊敬語を理解し、指摘・解説をする校正支援機能、町名から県や市などの住所補完、あるいは郵便番号検索などが行える「町名住所変換辞書」の搭載など、より正確な入力を行うためのサポート機能が搭載される。本来であればATOK18という名称のはずだが、今回のバージョンより一太郎と花子のバージョン名に習う「2005」を用いる形式となった。
「きれいにきるのはむずかしいですね」という文、「料理教室で〜」という文から続く場合と、「結婚式で〜」から続く場合とでは「切る」なのか「着る」なのか変換文字が変わってくる。ATOK2005では、動詞であっても前の文節などを判別し、適切な変換結果を返すことができる
さらに、ユーザーの癖を学習する機能も強化された。例えば入力ミスをした場合、BackSpaceキーなどで消去し、新たに正しく入力するといった作業を行う。この際に入力ミスをした課程をも学習し、次回また同じ入力ミスを行ったときには、正しい内容が変換候補として表示される。
「ください」と入力すべきところを「くだしあ→下し亜」と誤って入力・変換してしまい、文字消去して正しく入力した。次回も「くだしあ」と誤入力すると、正しくはこうでないですか? とATOKによる学習変換候補ウインドウが表示される
また、単なる漢字の間違いではないために混同し、そのまま文として記入してしまうこともある、謙譲語と尊敬語の誤りを指摘し、解説してくれる。
取引先に対し、何らかの企画書を「拝見していただけましたでしょうか」と謙譲語と尊敬語を混同して入力した場合、正しくは「ご覧いただけましたでしょうか」ではないですか? と指摘し、使用方法における解説も表示される
ATOK2005 [電子辞書セット]は、明鏡国語辞典、ジーニアス英和辞典第3版、ジーニアス和英辞典第2版(大修館書店)といった国語、英和、和英辞書がそのまま搭載されるバージョンとなる。意味を調べたい語句を入力すると、変換候補の表示に加えて、その意味や用例をも表示できるようになる。
なおATOK17用辞書としてリリースされた「共同通信社 記者ハンドブック辞書」(2004年9月2日の記事参照)に関しては、文脈判断の仕組みの違いや、過去のものとなる内容も出てきたため、ATOK2005には非対応とし、新たに2005用に開発を行う予定となっている。
言葉や文章の構造を、そのまま図版化できる「オートチャート機能」が強化された花子2005
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