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VAIO Fシリーズがハイエンドパーツを搭載して復活──ソニー「VAIO type F VGN-FS70B」(1/2 ページ)

2005年春モデルから新たに登場したVAIO type Fシリーズは、15.4型のワイド液晶を搭載したオールインワンA4ノート。エントリークラスでありながら、インテル未発表の最新CPUにチップセットを搭載するなど大いに注目したい製品だ。

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 ソニーの2005年春モデルのラインアップに「VAIO type F」シリーズというどこか懐かしい響きの新シリーズが追加された。

 “F”といえばコストパフォーマンスに優れ、オールインワンのやや大型なきょう体のA4ノートの定番モデルを思い起こすが、新生“F”はワイド液晶を武器にDVD視聴やビジネス用途にも適したA4スリムノートとして生まれ変わっている。今回はその中でも最上位モデルとなるVGN-FS70Bを取り上げて、その使い勝手などについて検証してみよう。


VAIO type Fのハイエンドモデル「VGN-FS70B」

ハイエンドモデルに搭載された超高解像度ワイド液晶

 VAIO type Fの最大の特徴的は、今期のトレンドとも言えるワイド液晶をバリュークラスのラインアップに採用してきたことだろう。しかも、下位モデルや他社競合製品が搭載する15.4型ワイド液晶が解像度1280×800ドットであるのに対して、VGN-FS70Bは1680×1050ドットの超高解像度を表示する。思わず「驚愕」と熟語を使ってしまうぐらいのハイスペックだ。

 同じインチ数で通常のスクエア比率ディスプレイと比較すると、ワイド液晶は縦の解像度が低くなる場合が多い。TVやDVDを視聴するには快適だが、Webサイトの閲覧などに縦幅の狭さを感じることがある。

 ところが、VGN-FS70Bぐらい広ければ何を行うのにも快適。よくある「エクセルで威力を発揮」するだけでなく、縦幅が重要になるWebサイトの閲覧もかなり幸せになれる。VGN-FS70Bの液晶ディスプレイは筆者が抱いていたワイド画面の常識をあっさりと覆してしまった。

 本体デザインは、これまでのVAIO Fシリーズが醸しだしていた「プラスチック筐体の質感」が影も形も見られない。白と黒を基調にしたカラーリングとマグネシウム合金による新生“F”の筐体は「いかにもバリュークラス」という雰囲気を見事に払拭している。厚みも最薄部で25.4mmと薄い。


筐体パネルにマグネシウム合金を採用。見た目の美しさもさることながら、薄い筐体でも大型の液晶パネルを搭載できる強度を確保するために使われている

Sonomaプラットフォームを採用してFSB533MHz対応Pentium Mを搭載

 CPUは、まもなくインテルから正式に発表される予定のFSB533MHz対応Pentium M 740(動作クロックは1.73GHz)。チップセットもFSB533MHzに対応する新チップセットIntel 915PMだ。

 グラフィックス機能は昨年末に発表されたばかりのNVIDIA製GPU「GeForce Go 6200 with TurboCache」を利用する。これはバリュークラスのGPUだが、それでも3Dのパフォーマンスは従来からあるチップセット内蔵のグラフィックスコアをと比べれば高い。

 なお、TorboCacheではビデオメモリとしてメインメモリを共用するため、システムが使えるメモリ容量は少なくなってしまうので注意が必要だ。

 光学ドライブは2層式DVD+Rの書き込みにも対応するDVDスーパーマルチを搭載。現行の全メディアが利用できることになる。ただ、今回登場する各社の春モデルではA4ノートのほとんどで同等のドライブを採用しているため、「2層式DVD+Rにも対応」という文句はアドバンテージになりにくい感がある。

 キーボードは、キーストローク約2.5ミリ、キーピッチ19ミリを確保したA4ノートとしては標準的なサイズ。気になるのは、ファンクションキーをはじめ、[ESC][Delete]などの最上部キーが妙に細長くなっている点だ。

 キーボードのサイズを犠牲にしてコンパクトな作りにしなければならないミニノートならまだしも、ゆとりのあるA4ノートでキーの縦幅を犠牲にしてしまうのは、(部品の共通化などの事情があるにせよ)ユーザーには納得しがたいところだ。

 キーボード上部には、好きなアプリケーションをワンアクションで起動できるショートカットボタンが二つ用意されている。汎用的に使えるボタンが押しやすい位置にあるのは便利。長押しするとボタンの設定画面が起動するのも直感的で分かりやすい。


キーストロークにキーピッチは十分だが、ファンクションキーはちょっと横長すぎる。キーボードの右上には電源ボタンとショートカットボタンが「品良く」に収まっている

 本体に内蔵しているカードスロット類はTypeII対応のPCカードスロットに、VAIOらしくメモリースティックスロット。SD/MMC/SMは付属のPCカードアダプタで対応する。本体前面下部には、無線LANのオンオフスイッチが付いているので、無線LANを利用しない場合はOFFにして消費電力を抑えることが可能だ。USB端子は右側面に横並びで3基搭載。片側のみにUSB端子が集中してしまうのはなにかと使い勝手が悪いので、両側面に用意して欲しかった。


右側面にはUSBに各種カードスロット、VGAなどが用意されている


左側面には光学ドライブとLAN、モデムといったネットワーク系インタフェースがある

デュアルチャネル対応が効いたメモリパフォーマンス

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