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デジカメRAWモード撮影術〜街角スナップ編〜(2/2 ページ)

スナップ撮影では、いいなと思う被写体に出会ったら、余計なことは考えずに素早くたくさん撮影するのが基本だ。露出や構図、ピントなどに悩んでいたりすると、その間にもシャッターチャンスはどんどん逃げていってしまう。そんな撮影方法に適しているのも、仕上げを後回しにできるRAWモード撮影だ。

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 このほか、RAWモード撮影を積極的にやるようになって、いま、これはオモシロイぞと感じているのがモノクロ画像変換である。

 たとえばR-D1では、JPEGだとカラーかモノクロのどちらかのモードを選んでから撮影しなければならない。しかしRAWであれば、撮影する時はカラー、モノクロの別を考えずにとにかく写しておき、現像処理時にカラーかモノクロかを選んで画像変換することができる。つまり、撮影した後で「このカットはモノクロ写真のほうが良さそうだ」とか「カラーで色鮮やかに出したい」といったように、自由自在に変更できるのだ。

 「PHOTO 3」もそのようにして、「PHOTO 1」の画像をモノクロで現像したものだ。


PHOTO 3:モノクロで現像した写真。「PHOTO 2」の設定を基本に、白黒モードを選んで処理している。やや軟調気味の描写だが、これはぼくの好み(オリジナルはこちら

モノクロ現像時の設定パラメータ。フィルム選択を「白黒」にし、「露出補正」を+0.3EV、「エッジ強調」を-1、「コントラスト」は0、さらに「シャドーポイント」は-10に設定している

 このほかにも、R-D1用を含めた一部のデジタルカメラのRAW現像ソフトでは、「PHOTO 5」のようにレンズ周辺部の光量低下を補正できるものもあるし、「PHOTO 6」のように色温度の変更で雰囲気を演出することなどはお手の物だ。


PHOTO 4:デフォルト設定での現像。三脚禁止の暗い和室を、柱にカメラを押しつけて自然光だけで1/2秒で手持ち撮影した。当然ながら少しブレている。また、超広角レンズを開放絞り値で使用したため、画面周辺部でかなりの光量不足が見られる(オリジナルはこちら

PHOTO 5:周辺部の光量不足を補正して現像した写真(オリジナルはこちら

「周辺光量補正」の設定パラメータ

ブレをごまかすために「エッジ強調」を+1、画面全体のコントラストを弱めるために「コントラスト」を-2に設定している

PHOTO 6:色温度を変更して現像した写真。色温度はデイライト(晴天)に固定することが多いが、RAW現像時に変化させることもできる。ここでは色温度を3200Kにしてタングステン光の赤みを少なくし、同時に外光の青みを強調した(オリジナルはこちら

「ホワイトバランス」の設定パラメータ

 もちろん冒頭で触れたように、RAWはファイルサイズが大きく、後処理が面倒などのデメリットはある。しかし、撮った写真を自分の手で満足いくまでじっくりとコントロールして最終的な“作品”に仕上げる。そのためにも、労をいとわずRAWで撮影し、処理するのがよいのではないだろうか。

Photo:田中希美男



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