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BTXを採用したスリムタワーデスクトップ──デル「OptiPlex GX280」(BTXモデル)(1/2 ページ)

インテルが提唱する「新世代のフォームファクタ」のBTX。正式発表から日本でもホワイトボックス系PCベンダーからBTX採用PCが発表されたがまだまだ少数派。しかし、メジャーメーカーのデルがついにBTXを採用した。今回はその第一弾PCを検証してみよう。

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メジャーメーカー初のBTX採用モデル

 デルの「OptiPlex」シリーズは、企業内のネットワーク環境での使用に特化したデスクトップPC。同じくデルのネットワークサーバと組み合わせたとき使用できるシステム・マネージメント・ツール「OpenManage Client Instrumentation(OMCI)」がプリインストールされる点や、企業ユーザー向けに製品サイクルを15カ月以上と長めに設定するなど、我々が普段目にする家庭用PCとは違った視点の製品を用意している。


「OptiPlex GX280」(BTXモデル)にはミニタワーモデルとスリムモデルが用意されている。今回取り上げるのはスリムモデルの筐体だ

 今回評価する「OptiPlex GX280」(BTXモデル)は、その名が示すとおりBTXフォームファクタを採用している。わざわざ括弧付きで(BTXモデル)と名乗っているのは、OptiPlex GX280と名乗る機種で既にATXモデルが存在するため。

 どちらもIntel 915Gチップセットを採用しているため、カタログ上のスペックは大きく変わらないのだが、実はBTX採用PCをデルが発売するのは本機が初めて。大手PCメーカーとしても、まだ珍しいBTXという点に注目してこのPCを見てみよう。


業務用モデルだけあって、フロントパネルに用意されたインタフェースはUSB 2.0にサウンド系端子とシンプル。オープンベイは5インチ×1に3.5インチ×1とこちらも標準的だ


背面で目立つのが上部に設置された大型のファンといたるところに設けられた排気用のスリットだ

冷却面で有利なBTX

 BTXの特徴は、CPUの冷却性を重視したデバイス配置をしている点にある。CPUと冷却機構を本体前側に配置することで、外気を直接冷却機構に取り入れやすく、かつ、そのまま背面に排出することで、筐体内の冷却効率を高めることができるのだ。

 デルも本機の特徴として、効率の良い冷却による静音性能の高さをアピールしている。回転数コントロールを採用したCPUファンと電源ファンにより、快適な作業環境を提供するとしている。


筐体を開けるとBTXの特徴であるCPUからノースブリッジを経て拡張カードスロットに至る「直線配列」を目にすることができる

 では、その実力はどうだろうか。時間の関係上、騒音計と無音環境が用意できないため、具体的な数値では示すことはできないが、動作クロック3.6GHzのPentium 4 560 を装備したデスクトップPCとしては、まずまずの静粛性を実現していた。

 同じデルのATXモデルよりは確実に静か。もちろん、水冷式など冷却機構を売りにした物にはかなわないが、これならオフィスだけでなく、比較的静かな個人の部屋で使用でも、それほど気になることはないだろう。

 本機の静音性能は、単にBTXだからではなく、ヒートパイプを使った熱交換率の高いCPUヒートシンクと、山洋電機製のクーリングファンの組み合わせで実現している面も大きい。

 BTXは確かに冷却効率という面では有利ではあるが、一番の騒音源であるクーリングファンが外に近い本体前面にあるだけに、場合によっては逆にうるさくなる可能性もあるのだが、本機はこれをうまく抑えることに成功している。


こちらもBTXの特徴である整流用のフードをつけたCPUクーラーユニット。筐体正面に取り付けられたファンで外気を吸い込み、多層フィンの熱を奪って筐体後方に流れていく
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