テーマは徹底高画質追求――カノープス、MTVXシリーズ“旗艦”モデル「MTVX-WHF」発表:キャプチャーカード(1/2 ページ)
カノープスは、高画質化への徹底こだわりから、PCI接続タイプ製品にもかかわらず“外部チューナー仕様”とし、高画質多機能エンコードチップ「XCode II-L」や高画質化チップを4個搭載するハイエンドTVキャプチャー製品を発表した。
カノープスは4月6日、同社TVキャプチャー製品における最上位モデル「MTVX-WHF」を発表、5月下旬より発売する。価格はオープンプライス、予想実売価格は4万9980円(税込み)。
MTVX-WHFは、同社フラッグシップモデルとして徹底的な画質へのこだわりを盛り込んだというPCI内蔵タイプのTVキャプチャーカード。主な特徴は下記の通り。
- エンコードチップにViXS製「XCode II-L」を採用
- ソニー製スプリットキャリアチューナーユニットを2基採用
- PCノイズの影響を限りなく低減させるため、外部接続タイプのチューナーユニットを採用
- 松下電器製3次元ノイズリダクション/3次元Y/C分離チップを計4基搭載
- 日本電気製ゴーストリデュースチップを2基搭載
- コンポーネント入力対応の10ビットA/D回路を2基搭載
- 複数台設置対応、3台設置で計6番組の同時録画も可能(地デジ番組などCGMS-A処理番組の録画も可能)
エンコードチップ「XCode II」シリーズは、国内ではソニー「VAIO type X」やアイ・オー・データ機器「GV-MVP/GX」(関連記事参照)などに使われているが、MTVX-WHFには、そのうち2ストリーム(経路)の同時入力・同時エンコードが可能なモデルとなる「XCode II-L」が採用された。MPEG-2/4エンコード、低ビットレート時における高画質さ、オフラインエンコード(トランスコード)、AES暗号・複合化、エンコード処理中におけるビットレート設定変更が可能といった特徴を持つ。
XCode IIチップのラインアップ | |
XCode II | 4ストリーム同時入力対応 |
XCode II-L | 2ストリーム同時入力対応 |
XCode II-E | 1ストリーム同時入力対応 |
また、これまでのPCI内蔵タイプTVキャプチャーカード製品における概念を「画質へのこだわり」のために崩した、“外付けTVチューナー仕様”という構成方法の採用も大きな特徴となる。
同社常務取締役 カノープスユニテックカンパニー 中田潤氏によると、まず(TVチューナーのような)アナログ部品は性能がサイズに比例するということ、そしてPC内部のノイズ混入徹底的に排除するといったことがその理由だという。
画像と音声の信号を独立回路で分離することで高画質傾向にあるスプリットキャリアチューナー2基は、同社USB外付けタイプのTVキャプチャーユニット「MTVX2005USB」とほぼ同等サイズの筐体におさめられ、ダブルシールド済み75Ω同軸ケーブル(本体との接続コネクタは8ピン端子)2本を、エンコードチップなどが搭載されるPCIカード本体と接続する。
なおこの外付けTVチューナーには、あえてアンテナ分配器の搭載ないし用意はなされず、あえてそのまま2系統入力、つまりアンテナ線を2本必要としている。同社によると、性能の低いパッシブ型分配器により画質劣化を防ぐためとしており、それは入力時点での悪影響をできるだけ排除するために採用した“外付けTVチューナー仕様”へのこだわりに繋がる。分配する場合は、ブースターなどが備わる高品位アクティブ型分配器の使用が望ましいとしている。
PCIカード本体上ではなく、チューナーは外部に置くという概念を採用した。やや大型だが性能のよいソニー製スプリットチューナーの2基設置、ノイズ混入可能性の低減、カードデザインの制限低減などのメリットが挙げられる
高画質化回路として、松下電器製3次元ノイズリダクション/3次元Y/C分離チップを各2回路分で計4個、2階建て構造カードの2階部分に搭載している。1個では3次元ノイズリダクションないし3次元Y/C分離いずれか排他でのみでしか使用できなかったが各回路に2個備えることで、それらの同時利用も行えるとしている。
TV視聴・録画アプリケーション「FEATHER」も進化
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.