ベトナムの秋葉原?に行ってみた
ベトナムは違法コピーソフトがまん延している国の1つ。海賊版Windows XPは「9種類入り」で1ドルだ。正規版の価格は平均年収の3分の1。庶民には手が届かない。
「Windows XP 9 in 1」――ベトナム最大の都市、ホーチミンシティのPC街で見つけたCD-ROMだ。Windows XP SP2 Home Editionのリテール版とOEM版、Professionalのリテール版とOEM版、Media Center Edition 2005などなど……9種類を1枚のCD-ROMに収録しているというふれこみで、価格は1米ドル。(約1万5000ベトナムドン)。正規品の約140分の1だ。
ホーチミンのPC街には、違法コピーソフトを堂々と販売する店が多く軒をつらね、バイクで来店したベトナムの若者が目的のソフトを探す姿があちこちで見られる。
現地のツアーオフィスで働く日本人男性は「ベトナムで売っているPCソフトは偽物ばかり。本物のソフトは見たことがない」と話す。Business Software Alliance(BSA)の調べによると、ベトナムの違法コピーソフト利用率は92%と世界トップだ。
ベトナム人の平均年収は480ドルといわれており、正規版Windows XPは年収の約3分の1(給料約4カ月分相当)。1ドルもあれば3食食べられるベトナムで、正規版Windowsは高根の花だ。
PCはショップブランドの安価なものが中心で、パーツを選んでショップで組み立ててもらう客が多い。価格は、最低スペック品(Celeron/2.0GHz、128MバイトDDR SDRAM、40GバイトHDD)で199ドルと、ベトナム人の収入から考えると決して安くはない。IBMやNECなどメーカー製も販売しているが、日本とほとんど変わらない高価格なためあまり人気はないようだった。
都市部のミニホテル(1泊10ドル前後)の多くがネットカフェを併設しており、宿泊客はADSL接続でネットを自由に利用できる。ベトナムは日本人観光客が多いため(中国に次いで2番目)、日本語フォントが使えるところも少なくない。5月で最高気温37度と、高温多湿でエアコンのない部屋に並べられたPCは、ときどき動作が不安定になりながらも、たくましく動いていた。
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