きょうはECS「PF88」で「A9S」に差したAthlon 64の性能に注目してみた:マザーボード(2/5 ページ)
AGP ExpressやPCI Express Liteなどなど「掟破り」のスロットを搭載するマザーといえばECS。そのECSが生み出した「Elite Bus」は1枚のマザーでPentium 4もAthlon 64も使えるようにするという。今回は、まもなく登場する「変則マザー」の実態に迫ってみた。
意外と手間がかかるPF88とA9Sの切り替え
ECSのWebページにある製品紹介には「AMDとインテルCPU共有のプラットフォーム」と記載されているが、A9Sを差しても、インテルとAMDのCPUが混在した、いわば「呉越同舟」状態で両方のCPUが動作するわけではない。
LGA775にCPUを載せた状態ではA9S側のAthlon 64は無視され、逆の場合はLGA775(とマザーにあるノースブリッジ、メモリスロット)は認識されなくなる(ただし、A9Sを動かした状態でも、マザーボード上のノースブリッジヒートシンクは暖かくなっていたので、まったく使われていない、わけではないようだ)。
PF88にグラフィックスカード用のPCI Express x16スロットが2本あるのを見て「LGA775対応CPUを使っているときは、NVIDIA SLIのような使い方が出来るのか」と期待するかもしれないが、残念ながらLGA775対応CPU動作時は上にあるスロットだけが、A9SにあるSocket 939に差したCPUが動作しているときは下にあるスロットだけが有効になる。
ちなみにA9Sに実装されているノースブリッジ「SiS 756」もPCI Expressに対応したSiS最新鋭のチップセット。サウスブリッジとはMuTIOL 1Gで接続され、SiS656と同じようにSiS 965と組み合わせて使うことを想定されている。A9SでもサウスブリッジはPF88に実装されているSiS 965を利用する。
PF88にはBIOSチップ用のソケットが2つ用意されている。見た目はバックアップ機能をもった「Dual BIOS」的な感じだが、PF88の場合は片や「SiS 656 FX & SiS 965」マザー用BIOS、片や「Elite Busに差したチップセット&SiS 965」マザー用BIOSとなる。
どちらもPF88側に実装されているために、Elite Bus用拡張カードに実装されるチップセットとCPUソケットごとにBIOSを変更しなければならない。マニュアルにはBIOSチップを手で換装するような説明があって「ドッキリ」させられるが「AWDFLASH」のような書き換えツールを使えばいいわけで、さほど面倒な話ではない(ただ、拡張カード側にBIOSがあったら楽は楽だ)。
面倒といえば、Elite BusをEnableにするには、Elite Busスロットの周りに用意されているジャンパスイッチをすべて取り外す必要がある。その数、実に23個。実際の使い方を考えると、いったんElite Busを有効にしたら、当分はそのままになると思うが、億劫は億劫。もちろん、LGA775とSiS 656 FXを再度有効するには、23個のジャンパスイッチをすべて差さなければならない。
Elite Busスロットの周りに用意された23個のジャンパスイッチ。このスロットを有効にするためには、1つ1つ取らなければならない。一体化されたジャンパスイッチを作ればいいと思うのだが、強度的な事情から難しい、とのこと
SiS 656FXのパフォーマンスは?
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