iTunes連携からSamba導入まで──挑戦者「白箱」をぷちHackしてみた(前編):自作NASキット(2/4 ページ)
挑戦者より登場した自作NASキット「LAN Tank」は、難易度もそれなりに高いがそれだけ“遊べる”HDD型のファイル&ストリーミング・サーバである。NASとして、ファイルサーバとして、そしてネットワークメディアプレーヤーなどと連携してどのようなことができるかを試してみた。
搭載したHDDにOSをインストールする
ちなみに搭載するHDDは、Windowsで利用中のものを内容そのままにといった使い方はできない。そのHDDにOSを組み込む必要があり、この作業の際に必ず初期化される。このあたりはいわゆるお手軽NASキットとは異なる部分で、若干の知識を要する部分だ。
本製品は基板やケーブル類こそ組み込み済みだが、ほぼバラバラといえる状態で販売されている組み立てキット。もちろんHDDを組み込まないといけないのだから、とりわけ大きな問題ではないし、玄箱よりは組み立て手順こそは楽である。
ただし問題は分解時。組み立て時に内部構造を把握しておかないと、上下部分のカバー取り外しのさいに面倒なことになるかもしれない。ちなみに挑戦者のWebサイトには「本製品のハードウェアは分解をすることを加味されて設計されておりませんので、コツが必要です」という旨が記載されており、ちょっとびびらせてくれる。一度組み立てた後にメンテをする場合は、このマニュアルを見ながら行えばよいだろう。
搭載されているCPUはルネサステクノロジ SH4。これ以外にLANコントローラとしてRealtek RTL8139C、ATAコントローラにACARD ATP865-A、USBホストコントローラとしてNEC D720101など、そしてメモリは64Mバイト搭載されている
なお組み込むHDDが1基の場合には、そのHDDのジャンパ設定をマスター(シングルドライブの設定がある場合にはシングルドライブ)に設定し、2基HDDを組み込む場合にはマスターとスレーブに設定する。後は側面パネル、カバー、上下のカバーの順に取り付ければ組み立てそのものは完了する。
しかし、HDDを組み込む前に付属CDからHDDへソフトウェアをインストールする必要がある。この辺がよくあるNASキットよりややハードルが高いところだ。この作業は組み込むHDDを適当なPCに接続し、付属CDよりブートさせてインストールしていく。
OSをインストールする(つまり初期化されてしまう)HDDは作業時に任意に選択できるメニューが備わっているが、念のためそのPCで使用しているHDDは一時的に取り外してしまう方が正解だろう。
筆者はnForce3 250チップセット搭載マザー、ギガバイト「GA-K8NS Pro」で作業を行ったが、もちろん問題は発生しなかった。作業そのものは画面に従ってどんどん操作を進めるだけでよく、HDDを2基接続した場合にはスパンニングで利用するか、ミラーリングで利用するかをここで指定できる。
ちなみに実験的にWindows XPインストールには利用できるUSBブート対応CD-ROMドライブで試してみたが、付属CDは起動が途中で止まってしまった。基本的にはIDE接続の光学ドライブで行うのが望ましいと思われる。
なお電源容量の問題から2基HDDを組み込む時にはHDDの合計消費電力を注意する必要があるかもしれない。シーゲイト「Barracuda ATA」シリーズの場合はうまく動作しない可能性があるという話もある。LAN Tankと合わせてHDDも購入する予定のあるユーザーは事前にWeb上の情報で動作実績などを確認した方がよさそうだ。ちなみに筆者は手持ちのマックストア「DiamondMax 10」160Gバイトモデルを2台利用してみたが、とくに問題なく動作した。
設定はWebツールで、ファイル読み書きはWebDAVで
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