きょうは「RADEON X1800XT」と「GeForce 7800 GTX」を戦わせた:グラフィックスカード(2/2 ページ)
今年の6月にGeForce 7800 GTXが登場したとき、その比較相手だったのは2004年に登場したRADEON X850XT PEであった。これを例えていうなら零戦とヘルキャットを戦わせるようなもの。そんなATIにもようやく紫電改が投入されたのであった(え、例えになっていないって)。
RADEON X1800XTとGeForce 7800 GTXの構造を比較すると、シェーダユニットの数やパイプラインの本数はGeforce 7800 GTXが優位であるものの動作クロックはRDEON X1800XTが圧倒的に速い。Futuremark系のベンチマーク結果はそのクロックの違いと、笠原氏の記事で紹介されていたメモリアクセスなどの新しく採用された技術が大きく影響していると思われる。パイプラインの本数が少ないと重負荷条件のテストで結果が大きく落ち込む傾向があるはずなのだが、RADEON X1800XTでは新技術のおかげか重負荷条件になっても結果の落ち込むがGeForce 7800GTXほど大きくない。
同じFuturemark系のベンチでシェーダ処理の項目を比較してみよう。これまでもATIとNVIDIAのGPUを比較したときに出ていた傾向がここでも確認できる。PixcelShaderに関連するテストではGeForce 7800 GTXがいい結果を出すのに対して、Vertex Shaderに関連するテストでは、やはり今までどおりRADEON X1800 XTが優位である。
Aquamark3、市販ゲームベンチのFarcryでも、Futuremark系ベンチほどではないにしても、RADEON X1800XTが優勢。Farcryのベンチでは先ほど述べたような正確な描画処理が行われていないために、この結果だけで評価することできないが、それでも高解像度重負荷条件におけるテスト結果がGeForce 7800 GTXにたいして大きくリードしていることは注目しておきたい。また、注目という意味ではDOOM 3のtimedemoベンチの結果がほかのテストの傾向と異なり、重負荷時でGeForce 7800 GTXが上回っているのも興味深いところだ。
成績優秀なRADEON X1800XTで注意しておきたいのは、GeForce 7800 GTXを超えるパフォーマンスを引き出すための「高クロック動作」だ。高クロックで走るGPUとメモリが出す熱を排出するために、リファレンスカードには分厚いクーラーユニットが装着されている。これがGeForce 7800 GTXのオーバークロック製品に組み込まれている「分厚いけど静音タイプ」ではなく、高速で見た目どおりの音を発しながら回っているのだ。そして、そのクーラーから排出される空気は「とても」熱い。 簡易温度計で測定したところ室温摂氏27度で50度であったことを、「RADEON X1800 XTをCrossFireで組んでガンガン走らせる」つもりでいるユーザーはぜひ留意しておいてほしい。
(続いてRADEON X1800 XL vs GeForce 7800 GTを比較する)
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