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「もっと早くできねぇのかよ」という“PC録画派”“エンコ職人”にこれ1枚──プレクスター「PX-C200P」エンコードカード(1/5 ページ)

寝ている間に動画エンコード──“PC録画派”ならこのような経験を1度はしたことがあるだろう。そしてこう思う「もっと早くできねぇのかよ」。そのようなユーザーにお勧めなのが、エンコードチップにXCode II-Lを採用するプレクスター「PX-C200P」だ。今回は、ソフトエンコとの速度・画質比較含めて、その使い勝手を試してみた。

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 シンプルにMPEGエンコードチップのみを搭載する、ちょっと変わったPCI拡張カード、それがプレクスター「PX-C200P」だ。

 PX-C200Pは、MPEGエンコードチップとしてTVキャプチャーユニットに多く採用されるViXS「XCode II-L」を搭載する。同機はビデオキャプチャーデバイスの1種といえなくもないが、TVチューナーはもちろんAV入力系統も持たず、純粋にMPEGエンコードチップのみが搭載され、ハードウェアMPEGエンコードを行うためだけの極めてシンプルな製品となる。

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プレクスター「PX-C200P」。市場価格は9000円前後(ITmedia +D Shoppingで最安値をチェックする)

 本機で行えることはハードウェア構成同様に極めてシンプル。純粋に単体ハードウェアMPEGエンコーダとして動作し、複数ファイルのバッチ処理も可能なソフトや、本機をハードウェアエンコーダとして活用できるビデオ編集ソフトが付属する。

 インストールも極めて容易。製品をPCIスロットに装着し、付属CD-ROMからドライバとソフトウェアをインストールするのみだ。2つの付属ソフトは初期状態でハードウェアMPEGエンコードを利用するようになっており、とくに設定変更などを行う必要もない。

 製品の発表当初、本機はMPEG-2ファイルを最大6倍速(再生時間に対して最短6分の1)の速度でトランスレートが可能とされていたが、これは最大4倍速に変更されるとのアナウンスがされている(関連記事参照)。この点は少々残念ではあるが、それでもソフトウェア処理と比べて高速・快適になることは間違いない。

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搭載されるMPEGエンコードチップ、ViXS「XCode II-L」

 なお今回試用したものは市販前の試作モデルであり、製品版は機能やパフォーマンスが異なる可能性があることは事前にお断りしておく。

バッチエンコードも可能な「PLEXCODER」

 すでにHDD上に保存済みのMPEG-2ファイルを単純にMPEGトランスレートするのに利用できるのが「PLEXCODER」という付属ソフトだ。複数のMPEG-2ファイルを登録し一括変換──いわゆるバッチエンコードを行ったり、ファイルごとに異なる設定にてといったことが行える。

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PLEXCODERの操作インタフェース。トランスレート元になるMPEGファイルはドロップするだけで登録できる。複数ファイルをまとめて変換する場合でも、ファイルごとに解像度やビットレート、VBR/CBRどちらにするかといった設定が行える

 トランスレート設定として設定可能なのは解像度、可変(VBR)/固定(CBR)ビットレート、ビットレート(VBR時は平均)の3項目がある。解像度は720×480ピクセル(D1)/352×480ピクセル(Half D1)/320×240ピクセル(QVGA)/176×144ピクセル(QCIF)が、ビットレートは変換元のビットレート以下で1Mbpsのまで設定が可能となっている。ビットレート設定は可変ビットレート選択時には平均ビットレートになる。さらには解像度の変更も行え、ビットレートとのバランスを考慮した細かな設定も可能だ。

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複数のファイルをドロップした場合には、設定を一括で指定することもできる。同設定で変換するファイル単位でドロップすることで、効率よく作業できる

 ちなみに最近は、MPEG-2高速トランスレートソフトウェアも販売されており、これらは確かにすべてを再エンコードと比較すると高速だ。これらは、再生時に前後フレームから動き予測などによって間のフレームを補完できることを利用し、Bフレームと呼ぶ、もっとも情報量の少ないフレーム情報を間引くことで実現していることが多い。このため、解像度の変更ができない/大幅なファイルサイズの縮小には向かないといった弱点がある。

MPEGハードウェアエンコードに対応した、特別版のビデオ編集ソフトが付属

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