「うちは入荷しません」──某社製ケース製品を入荷しない、あるアキバショップの本音:週末アキバPick UP!:(1/4 ページ)
アキバ各ショップに入荷された、発売ほやほやの新製品をITmediaアキバ取材班が調査、注目商品をピックアップしていく「週末アキバPick UP!」。今週のキーワードは「ケースにおけるアキバの噂」「“徹底仕様”マウス」「2万円 Wチューナー」「元気のなかった今週のイオシス」だ! ※なお記事一部の内容に関し、一部コメントを追加した。
世界最小を謳うミドルタワーATXケース登場──その裏で聞かれる噂
今週木曜、アビー製ミドルタワーケース「AS Enclosure S1」がアキバ各ショップに入荷された。シルバー筐体の「ES1S-011」と、ブラックの「ES1-BK-012」が揃って入荷され、価格は3万3000円弱。在庫は潤沢だ。
AS Enclosure S1は、電源非搭載のアルミ製ミドルタワーATXケースだ。本体サイズは203(幅)×399(奥行き)×369(高さ)ミリとなっており、同社によると「世界最小ミドルタワーATXケース」徒のことである。
フロントパネルから見て左側にマザーを逆さに設置する仕様となっており、拡張ブラケットは上部にある。ほか5インチベイ3基と、3.5インチベイ6基(うちシャドーベイ4基)を備える。
入荷したフェイス秋葉原本店は「高級志向のアルミケースは静音性にとくこだわるユーザーに人気があります。販売数そのものは低価格帯のケースにかないませんが、確実な需要があります」と話す。
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さて、高級志向のアルミケースと聞いて思い浮かぶメーカーの1つとして、ソルダム(星野金属工業)がある。同社はキューブ型ベアボーンなどを含め、2、3年前のアキバを賑わし、新製品が出るたび結構な話題となっていた記憶がある。
しかし、ここ最近はあまり見かけない気がする。今回の調査で回った15店舗中、店頭で扱っていたのは5店舗のみであった。対して9店舗がこのアビー製ケースを置いていることを考えると少ない。両社の製品は購買層も似ており、品質に関しても評価は高い。またアビーは、ソルダムの元スタッフが始めたメーカーというのは有名な話だ。
何かあったのだろうか。
アキバではある噂がささやかれている。某ショップはこう述べる。(編集部注:初出時、「不穏な噂」とありましたが、左記に訂正いたします)
「ソルダムは自社で通販サイトも展開しています。そのこと自体はいいのですが、そこの販売価格が卸値並みに安いんです。ユーザーは当然ながら通販サイトに流れてしまいますので、どうしても割高になってしまう小売店で扱う意味があまりないのです」
ユーザーにとっては安く買えるためほとんど不利益はない(あえて言うなら通販ならではのタイムラグか)が、ショップにとってその“卸値並み”の価格に対抗しようとするなら、ほとんど利益が出ないことになってしまうということになる。
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いっぽう、ドスパラではソルダムとのコラボレートにより復刻モデルを店頭販売するなど、アキバならではのモデルを販売するショップももちろんある。ドスパラ秋葉原店によると「8月から販売していますが好調に売れています。コアなユーザーが注目しているようで、今も定期的に売れています」という。
ユーザーから見ればまったく同じ製品であれば安価な方がいい。メーカーも製品そのものは売れるし、効率のよさなどのメリットも想像できるためそのように判断していると思われるので、どこかがいい/悪いという問題でもない。ともあれ、今後のアキバPCショップのあり方を変えてしまうような火種がくすぶっているのでは、と思うのは考えすぎだろうか。
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