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倉庫の奥でベンチをまわす──きょうは「アクリルまな板」で幸せをつかんだPCケース?(1/4 ページ)

ITmediaのオフィスは丸の内にある。世界に冠たるオフィス街の倉庫の片隅で昼となく夜となくベンチを回しつづける男がいた。その男が使っているPCケースは……、段ボールだったのである。

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 そんなわけで、今年の春に赤坂から丸の内に引っ越してきたITmediaである。「赤坂」に「丸の内」と地名だけを並べれば、東北の地方都市に帰省したときに、じいさまとばあさまを「職を転々としていたお前が、まぁー、立派なところで働くようになって(涙)」と喜ばせることもできる、なんとも便利な場所である。

 しかし、その実態は。赤坂のビルは近場の「すべての駅」から等しく離れた坂の上にある、陸の孤島の老朽ビルであったし、丸の内のこのビルも、著名な超巨大半導体メーカー東京本社が入居しているにもかかわらず、どうにもやっぱり古いようで、パーテーションや内張りでリフレッシュしてなんとか「バリバリ最先端のIT関連企業ですっ」という雰囲気を必死で演出していたりする。

 丸の内に事務所を構える「最先端のIT企業ですっ」というスマートな雰囲気を出すためには、オフィスのコーディネートが重要、ということで、引っ越しを機に古いデスクトップPCとCRTディスプレイのほとんどが退役し、社員は「かっこいい」ノートPCへの移行を迫られた。パーツ担当の「彼」が使っているベンチマーク用「バルクパーツ平積み」PCなんぞ、スマートな最先端IT企業のオフィスには「もってのほか」なんだそうだ。

 しかし、PCUPdateとしてはベンチマークを回さないわけにもいかない。「そうかそうか、ならばベンチ用にテストルームを準備してあげよう」とありがたくも会社が用意してくれたのが……


ちょ、ちょっと〜

 倉庫であった。倉庫の片隅に「秘密のベンチマークルーム」(これは、社内のイントラネットにもある“公式名称”である)が確保されたのだ。窓のない倉庫の端っこにパーツむき出しのバルクPCを積み上げ、一人こもってベンチを回す日々。異様である。

 その異様な部屋の悲壮感を強調してくれるのが「ヨレヨレの」段ボールPCケースだ。先日の記事でも紹介したように、某自作PC雑誌の付録だったものを「こりゃ、パーツの差し替えに便利だわい」と流用していたのだが、寄る年波には勝てず、老朽化が進んでいる。「毎日、この段ボールPCケースを眺めていると、なんとなく悲しい気持ちになってくる」とは彼の弁である。


なるほど、これはみじめだ
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