タブレットPCのプレゼンは、なぜ琴線を揺さぶることができるのか?:タブレットPCハンズオン(1):“勝てるプレゼン”の極意(2/3 ページ)
今や、ビジネスパーソンだけでなく、学生にもプレゼン能力が問われる時代。とはいえ、スライドと話術のみで受け手に強い印象を残すプレゼンを行うのは非常に難しい。しかし、タブレットPCを利用すれば、誰でも簡単に“勝てるプレゼン”が可能になるという。それはなぜか──。
実証調査で圧倒的な訴求効果を確認
2005年7月、マイクロソフトはマーケティングリサーチ会社のイードと共同で、タブレットPCを利用したプレゼンと従来のプレゼンとを比較し、受け手に対してどれだけの印象を与えることができたのかを調べる実証調査を行った。調査は、普段からプレゼンを受ける立場となっている人(プレゼンターの立場ではない人)を対象とし、以下の3つのスタイルで実際にプレゼンを聞いてもらい、その内容に対する理解度などを検証する、という方法で行われている。
- 紙資料を見せながら行う
- ノートPCとPowerPointを利用して行う
- タブレットPCとPowerPointを利用して行う
※調査は、「あなたはとあるコンビニの店長であり、取引先の営業から新製品のプレゼンを受けることになった。プレゼンを聞いたあと、その製品を自分のコンビニで取り扱うかどうかを決断する」という状況を想定して実施している
まず、それぞれのスタイル別のプレゼン内容の理解度だが、9段階評価で8点以上の評価をした人が、紙資料のプレゼンは16.2%、ノートPCのプレゼンは29.1%だったのに対し、タブレットPCのプレゼンでは実に71%にも達している(グラフ1)。また、プレゼンを聞いて、その内容に興味を持ったかという問いに対し、こちらも9段階で評価をしてもらったところ、8点以上の評価をした人が、紙資料のプレゼンは16.2%、ノートPCのプレゼンは16.1%だったのに対し、タブレットPCのプレゼンでは48.4%(グラフ2)。内容の理解度にしても興味度にしても、タブレットPCを利用した場合には他を完全に圧倒しているのである。
グラフ1:プレゼン方法による理解度の差を示したグラフ。ノートPCによるプレゼンに比べると、タブレットPCを使ったプレゼンでは、実に2倍以上の71%の人が8点以上の高い評価をつけている(資料提供:イード)
グラフ2:プレゼン方法による興味度の差を示したグラフ。やはりタブレットPCを使ったプレゼンが断トツに高い評価を得ている。上位2段階の合計が、ノートPCのプレゼンと紙資料のプレゼンとではほとんど差がない点にも注目(資料提供:イード)
さらに、プレゼンされた商品の購買意欲(この調査では取り扱い意欲)を聞いたところ、5段階評価で最高の評価をした人が、紙資料のプレゼンでは6.5%、ノートPCのプレゼンでは9.7%だったのに対し、タブレットPCのプレゼンでは35.5%にも達している(グラフ3)。
プレゼンを行う目的は、プレゼン内容に対して興味を持ってもらうことは当然で、究極的にはその内容を採用してもらうことにある。商品であれば、購入してもらうことだ。それが達成されて初めて、そのプレゼンは成功したことになる。そう考えてこの結果を見ると、タブレットPCを利用したプレゼンがいかに効果的であるかわかるのではないだろうか。
もちろん飯島氏を初めとするタブレットPCチームのメンバーも、タブレットPCを利用したプレゼンの方が訴求効果が高いという結果になると予測していたのだが、ここまで圧倒的な大差がついたことに正直驚いたそうである。これほどまでの差がつくと、従来のプレゼン手法はいったい何だったのかという感じで、飯島氏自身も考え込まされたということだ。
聴覚と視覚との共鳴で情報伝達量が2倍、3倍に
では、なぜタブレットPCを利用したプレゼンがここまで高い評価を得たのか。それはどうやら、“書く”ことによる視覚情報が加わることで、プレゼンの印象が非常に強くなる、ということのようだ。
実証調査を行った際のアンケートによると、一般的なプレゼンでは、基本的にはプレゼンターのしゃべり声(聴覚情報)中心であり、紙資料やスライド上の内容(視覚情報)は単なるバックグラウンド情報としてしか感じられないことが多く、ほとんど印象に残らないそうである。しかしタブレットPCを使ったプレゼンでは、しゃべり声に文字や図形などの書き込みが加わることで、聴覚情報と視覚情報の双方が重なり合い、頭に入ってくる情報が2倍にも3倍にも感じられるほど強烈な印象が残ったという。
「でも、なんでも書けばいいってわけじゃなくて、そこにはいろいろなテクニックがあると思っています」と飯島氏。
提供:株式会社 マイクロソフト
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日
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