第2回 「アキバブランド」という考え方とその価値:PCパーツショップが考える秋葉原ブーム(3/3 ページ)
“アキバ”ブームに沸く秋葉原。第2回は、電気街が盛り上がった1995年頃から現在の状況までの変遷を振り返り、昨今のPCパーツショップの現状を探ってみる。
Web通販でかいま見える“アキバブランド”の価値
現在のアキバ各ショップが多数存続しているのは、Web通販の存在が大きい。これは多くのショップもそう述べていることからおおむね本音だと思われる。
ほとんどのショップはWeb通販も展開し、販売実績も横ばいか右肩上がりを続けている。インターネット利用人口は約8000万人(平成16年末時点、携帯電話なども含む)、収益が上げられる成熟したインフラとなっている。そのことは「Web通販で購入するユーザーが増えるいっぽうで、実店舗に訪れる人が少なくなっているのは事実です」(某ショップ)ということにもなる。
しかし、Web通販が重要になるからこそ“アキバ”というキーワード=肩書きが重要になると話すショップも少なくはない。Web通販とアキバショップの関係についてPCパーツショップ・CUSTOMは次のように話す。
「Web通販を行うにも、リアルショップがあるというのは大きな安心感につながります。とくにアキバにある、自分も知っている店舗であるということのは、数あるWeb店舗の中から選んでもらえる理由の1つとなりえます。実店舗は、Web通販における大きな広告塔という側面も持っているわけです」
同じく、Web通販にも力を入れるフェイス秋葉原本店もその“アキバ”ブランドの力は大きいと語る。
「商品をじっさい見て触ることができない通販だからこそ、安心感はとくに重要になります。アキバに実店舗があることが、お客さんに安心感も提供できる重要な要素になっているのは確実です。全国区の知名度をもつアキバというブランドはかなり大きいですよ」
“アキバ”ブランドに力があるため、Web通販が盛り上がってもPCパーツショップの存在価値は十分に高いという図式である。
そうであればアキバ電気街の今後の展望も明るいのだろうか。次回最終回では、その展望と、これからのショップのあるべき姿を探ってみる。
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