きょうはいろんな意味で最高峰な「Pentium Extreme Edition 955」の性能と効率をチェックした(前編):CPU(4/5 ページ)
インテルは1月中に65ナノメートルプロセスルールを採用した「Pentium Extreme Edition 955」を出荷する予定。FSBクロックが1066MHzに引き上げられた「デュアルコア×ハイパースレッディング=4つの論理コア」CPUと「Intel 975X」搭載マザーを使って“Presler"の「性能と効率」を検証する。
Office Productivity、3DMark05 CPU Score、CineBenchで最高性能を叩き出す
今回は比較対象として、デュアルコアのPentium D 820(動作クロック2.8GHz)、Athlon 64 X2 4800+(2.4GHz)、Athlon 64 X2 4400+(2.2GHz)、Athlon 64 X2 3800+(2GHz)、シングルコアのPentium 4 670(3.8GHz)、Pentium 4 660(3.6GHz)、Athlon 64 FX-57(2.8GHz)、Athlon 64 FX-55(2.6GHz)を用意した。また、Pentium XE 955のHTの効果を見るため、D975XBXのBIOSでHTテクノロジをオフにした環境も計測している。
CPU | Athlon 64 FX/Athlon 64 X2 | Pentium D/Pentium 4 | Pentium XE |
チップセット | nForce4 SLI x16 | Intel 945G | Intel 975X |
マザーボード | A8N32-SLI Deluxe | D945GTP | D975XBX |
メモリ | DDR400 | DDR2-667 | DDR2-667 |
メモリモジュール | PC3200(3-3-3) | PC2-5300(5-5-5) | PC2-5300(5-5-5) |
メモリ容量 | 1Gバイト | ||
ビデオチップ | NVIDIA GeForce 6600(300MHz) | ||
ビデオメモリ | 256Mバイト(500MHz) | ||
ビデオドライバ | NVIDIA ForceWare 80(v81.89) | ||
標準解像度 | 1024x768ドット、32ビットカラー | ||
HDD | WesterDigital WD360 | ||
フォーマット | NTFS | ||
OS | Windows XP Professional+ServicePack2+DirectX9.0c |
SYSmark2004 SEのOffice Productivityは、Microsoft OfficeやWebブラウザ、Adobe Acrobatなどを利用して、オフィスワーカーが文章を作るまでをシミュレートしたベンチマークテストだ。実在するオフィスアプリケーションを利用しているため、ユーザーの実利用環境に近い結果がでると言われている。
結果はPentium XE 955とAthlon 64 FX-57がほぼ同等になった。Pentium XE 840では、Athlon 64 X2 4800+には遠く及ばなかっただっただけに、FSBクロックが1066MHzになり、動作クロックも3.2GHzから3.46GHzへと引き上げられた効果がでていると考えることができる。
SYSmark2004 SEのInternet Content Creationは、Adobe PhotoshopやPremiereなど実在するコンテンツ作成ソフトウェアを利用して、コンテンツを作成し、最終的にWebサイトを作るまでをシミュレートするベンチマークソフトだ。コンテンツデータの編集をする場合の性能の目安になる。
結果は、Athlon 64 X2 4800+がPentium XE 955を上回った。ただし、こちらもPentium XE 840に比べてインテルとAMDの差が縮まっている。コンテンツ作成のアプリケーションには、アプリケーションレベルでマルチスレッドに対応しているものが多いので、シングルコアのAthlon 64 FX-57の結果はふるわない。Pentium XE 955でハイパースレッディングの効果が如実に現れているのも同じ理由からである。
TMPGenc3 XPressを利用して、8MbpsのMPEG-2を3MbpsのWMVに1パスでトランスコードする時間を計測し、その時間でフレーム数を割ってフレームレートを求めている。ここでも、Athlon 64 X2 4800+がPentium XE 955を上回っている。
なお、Pentium XE 955では、HTオフの結果ががHTオンを上回っている。これはTMPGencが4つの論理コアを上手く使いこなせていないのが原因と思われる。こうしたアプリケーションは意外とあって、場合によっては4つの論理コアが上手く活用できていないためにかえって性能が下がる可能性があることを示している。
MAXON ComputerのCineBench 2003は、3Dの画面をレンダリングすることで、CPUの性能を計測するベンチマークプログラムだ。レンダリングはシングルCPU時と、マルチCPU時の両方が計測される。ここでは、マルチCPU時に、Pentium XE 955がAthlon 64 X2 4800+を上回った。なお、このベンチマークではHTオフとオンで結果の差が大きいが、これは、このプログラムが4つの論理コアを上手に使っていることを示している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.