Let's note T4と海を渡る:勝手に連載!「海で使うIT」(4/4 ページ)
冬のさなか、しかも気象庁も「想定外」という大雪の年末に海でPCを使う話である。しかし、海がきれいで風が安定している冬こそ、海で遊ぶ絶好のシーズンなのだ。はーはっはっはっは、はっくしょぃ。
GPSをUSBに接続するときは「踊るマウス」に注意すべし
さて、そのジブロックから“にゅるっ”と出ている2本のケーブル。1本がGPSの接続ケーブル。もう一本はマウスのケーブルである。
ノートPCでGPS、となると、PCユーザーの多くは「PCカードタイプのGPSユニットでしょう」となるだろう。しかし、ここは「ハンディタイプのGPS」を強く勧めておきたい。PCが使えなくなったらPCカードタイプGPSも当然使えない。「システムの冗長性」を考えると、単体でも使えるハンディタイプのGPSを選ぶのは船乗りとして当然である。
ハンディタイプのGPSをPCに接続する場合、そのインタフェースはほとんどのGPS製品で「シリアル」対応となっている。しかし、Let's note T4はシリアルインタフェースを持っていない。Let's note T4に限らず、最近のノートPCでシリアルインタフェースを持たない製品は多い。で、こういうときはシリアルのRS-232CをUSBに変換するアダブタを使ってPCと接続することになる。
シリアルとUSBの変換ケーブルを使ってGPSをPCに接続しているとき、休止状態、あるいはスタンバイ状態からPCを復帰させると「マウスカーソルが画面を飛び回って操作できなくなる」状況に出くわす。これは、GPSがシリアル接続のマウスと誤認識されることで起きる症状だ。GPSの電源を入れた状態でPCを起動、または復帰させるとGPSはマウスと認識されてしまい、GPS~出力される信号がマウスから送られたデータとして処理されてしまうのだ。
これを避けるには、PCを起動(復帰)させる前にGPSの電源をいったん切り、起動処理が終わった段階で改めてGPSの電源を入れる必要がある。
さて、もう一本のマウスである。Let's note T4にはタッチパッドがあるのに、なぜマウスをつなげるのか。「タッチパッドよりマウスのほうが操作が容易だから」という理由は、すぐに理解してもらえるだろう。それ以外にも、ケーブルが届く範囲なら離れたところからPCを操作できるメリットもある。
しかし、少しでもプレジャーボートの狭苦しさを知っているユーザーなら「マウスじゃなくてトラックボールだろう」というはずだ。そのことも重々承知はしているが、あえて、私はマウスを使っている。
その理由の1つは、先ほども述べた「知らぬまに海水まみれ」になった手でトラックボールを使うリスクの高さだ。その構造を考えるとジブロックで防水することも出来ない。そして、使い捨てにするにはトラックボールは高すぎる。
使い捨てにするには高すぎる、という理由でワイヤレスマウスも船で使うのは避けたい。ということで、私は、できるだけ安い、そして小ぶりなマウスをジブロックに入れて使っている。
ジブロックにLet's note T4をいれて、衝撃吸収素材を下敷きにしてキャビンテーブルに雑索で縛り付け、準備は完了。もちろん、GPSとマウスも接続した。しかし、PCをGPSプロッターとして使うには「電子海図とナビゲーションソフト」が必要になる。
ということで、次回は「安価で手軽な」ナビゲーションソフトである「PEC」(PC用航海参考図)を紹介してみたい。
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