松下、BDドライブ搭載のAV機器は「レディの状態で鋭意検討中」
松下電器産業はPC向け内蔵型Blu-ray Discドライブ「LF-MB121JD」を発表した(関連記事)が、BD搭載AV機器の国内投入については“すでにレディの状態”のしながらも、「鋭意検討中」と述べるにとどまった。
松下電器産業は4月21日、初となるPC向け内蔵型Blu-ray Disc(BD)ドライブ「LF-MB121JD」を発表したが(関連記事)、BDを搭載したAV機器(民生機)の国内市場投入については「鋭意検討中」(同社 デジタルネットワーク・ソフトウェア担当役員 津賀一宏氏)と述べるにとどまった。
津賀氏はBDをハイディフィニション(HD)映像関連機器のキーデバイスと位置づけ、規格化の完了/協賛企業(ハリウッドスタジオ)の協力/メディア量産性の確保/ROMフォーマット向けの著作権保護など、すべてにおいて準備が整ったと強調する。「テレビやビデオカメラ、レコーダーなど、各種の関連機器において横断的にHD環境を推進するには、中心となるBlu-ray Discが必要不可欠だ。フォーマット、技術はすでにレディの状態になっている」(津賀氏)
同社ではまず、AV機器より数量の見込めるPC向け製品を投入することでBDの認知度向上、ひいては大量生産化とそれに伴うコストダウンを狙う考えだ。これは、津賀氏が今年1月に本田雅一氏のインタビューにて述べた内容とも一致する。
「50Gバイトという大容量をすぐに活用できるのはPC。動画の保存やバックアップも容易になる。DVDと同じく、次世代フォーマットの製品についてはPC向けの需要がトリガーになるだろう」(同社)
ただ、東芝らHD DVD陣営が先行するAV機器分野については慎重な姿勢を見せる。同社は北米市場において、9月にBDプレーヤー「DMP-BD10」を発売することを明らかにしているが、津賀氏は国内市場へどのようなかたちでBlu-ray Disc対応のAV製品を投入するか、時期やタイプも含めて、鋭意検討中だとしている。
「私たちの一番の心配は、BDが目指す目標を技術的に実現できるかどうかでした。ハリウッドスタジオがBDを支持してくれるかどうかも心配でしたが、いずれもクリアできました。国内市場についても、皆様の期待を裏切らない製品を投入したいと考えています」(津賀氏)
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いよいよ本格的にブルーレーザーを用いた光ディスク製品が立ち上がる。HD DVDとの併存が決まり、また今後はBD陣営のメーカー間でも競争が始まる状況の中、松下はどのような戦略で臨むのか。デジタル家電開発の責任者である津賀一宏氏に話を聞いた。
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