インテルの出資でPCに進出するEdy (2/2 ページ)
電子マネー「Edy」を運営するビットワレットに、50億円を出資したインテル。インテルの目的は、そしてEdyの普及を後押しする理由は何だろうか?
PCにFeliCaのリーダー/ライターを
インテルがビットワレットに出資した資金は、加盟店へEdyリーダー/ライターを設置するために使われる。このほかインテルは、PCにFeliCaリーダー/ライターを入れていくプロモーションも検討しているという。
PCでEdyを利用する場合、現在はPCにFeliCaリーダー/ライターの「PaSoRi」をUSB接続するか、リーダー/ライターを内蔵したPC(FeliCaポート搭載PC)を利用することになる。しかしまだFeliCaポートを搭載したPCは数が少ない。
インテルとは直接関係ないが、FeliCaポート搭載マシンが増えそうな動きはもう1つある。FeliCaポート搭載PCにプリインストールするためのFeliCa対応ソフト群をジャストシステムが開発し、メーカー製PCにバンドル提供し始めたのだ(4月13日の記事参照)。
もともとFeliCaはソニーが開発した技術だったこともあり、ソニー製PCのVAIOにしかFeliCaリーダー/ライターが搭載されることはなかった。ソニー以外のPCメーカーが自社製PCにFeliCaポートを搭載するためには、ライバルであるソニーと発表前のPCについて各種契約を結ばなくてはならないことになり、いろいろ不都合も起こる。しかしソニーではなく、ジャストシステムのようなソフトウェアメーカーとであれば、バンドル契約も結びやすい。
実際、2006年の夏モデルではNECが「LaVie L(アドバンストタイプ)」というFeliCaポート搭載機種を出している(4月14日の記事参照)。LaVie LにプリインストールされているFeliCa用ソフト群は、ジャストシステムから提供されたもので、ソニー製以外のPCにFeliCaポートが搭載されたのはこれが初めてとなる。
NECでは、BIGLOBEで配信される音楽や有料動画などのコンテンツを決済用としてFeliCaポートを搭載した、としており、まさにインテルの考えるEdyの使い道と一致している。
カードタイプから始まり、携帯の中に入ったEdy。これまではリアル店舗での決済が中心だったが、今後はPCと連携することにより、ネット決済用電子マネーとしての顔も持つことになりそうだ。
関連記事
- Intel、「Edy」のビットワレットに50億円投資
Intel Capitalは、プリペイド型電子マネー「Edy」を運営するビットワレットに50億円を投資。「Viiv」上で安全かつ簡単にコンテンツ料金などを電子決済できる手段などとしてEdyの普及に共同で取り組む。 - フェイス+インテルが仕掛ける“携帯とPCをコンテンツでつなぐ”システムとは?
音楽や動画を携帯で買っても、楽しめるのはその端末でだけ。端末を替えたらもうそのコンテンツは捨てなくてはならない――そんな矛盾を解決し、PCと携帯の世界をつなぐシステムを作っている会社がある。かつて着メロの仕組みを作ったフェイスが、インテルとともに仕掛ける“新しいシステム”とは? - ジャスト、FeliCaポート搭載PC向けツールパックを公開──メーカー製PCへバンドル
ジャストシステムは、FeliCaポート対応PC向けとなるFeliCa対応ソフトウェア群を開発し、メーカー製PCへのバンドル提供を開始した。ソニー製ソフトのいくつかを同社で開発を引き継ぎ、かつFeliCaの利用を促進するサービスサイトもオープンする。ソニーではなく第3者となるジャストが担うことで、ソニー製PC以外へのFeliCaポート搭載を促進させたい考えだと思われる。 - 2006年・PC夏モデル特集:写真で解剖する2006年夏モデル ――NEC「LaVie L LL770/FG」
「LaVie L(アドバンスドタイプ)」は、NECのノートPCで最も多彩なモデルをそろえる主力シリーズだ。2006年夏モデルでは“PCとネットとの連携強化”を実現するためにFelicaポートを搭載したのが目を引く。ここではTVチューナーユニットを内蔵する「LL770/FG」を紹介しよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.