デジタルムーブ対応(予定)のエントリーデスクトップ──ソニー「VAIO type H VGC-H73DB2R」:2006年・PC夏モデル特集
コストパフォーマンスに優れた「VAIO type H」シリーズがデジタルTV関連機能を進化させた。「地味ながらも人気モデル」の強化ポイントを中心に紹介していこう。
スリムタワーPCのVAIO type Hは最近多くなってきた大画面液晶一体型PCやワイドサイズ搭載の大型ノートPCと比べるとやや地味な印象のラインアップである。しかし、イマドキ流行の製品と同程度のパフォーマンスや機能が比較的安価で購入できるメリットは「違いの分かるPCユーザー」から常に注目され続けてきた息の長いシリーズでもある。
そのコストパフォーマンスに優れたエントリーデスクトップPC「VAIO type H」の夏モデル最上位機種が20インチワイド液晶ディスプレイとセットになったデジタル放送対応の「VGC-H73DB2R」だ。従来のモデルでもVAIO type Hの最上位モデルは20インチワイド液晶ディスプレイがセットになったデジタル放送対応機種であったが、VGC-H73DB2Rはそのデジタル放送関連機能がさらに強化されている。
最も大きな強化ポイントは録画したハイビジョンデジタルコンテンツをCPRMに対応したDVD-RW、DVD-RAMへムーブできるようになったことだ。これは、デジタル放送用ユーティリティ「Station TV Digital Ver.3.0」に後日ソニーが配布する予定のアップデートプログラムを適用することで可能になる(購入した状態のままではデジタルコンテンツのムーブはできないので注意)。
VGC-H73DB2Rとセットになる液晶ディスプレイはクリアブラック液晶パネルを搭載する「VGP-D20WM1」で最大解像度1680×1050ドットを表示できる。HDCPに対応しているので、著作権保護のコピープロテクトがかけられたハイビジョンコンテンツも再生できる。
VAIO type Hは同じVAIOのデスクトップモデル「VAIO type R」と比べて価格を低く抑えているが(ただし、ここで取り上げているVGC-H73DB2RはさすがにほかのVAIO type Hのラインアップから価格が突出している)、組み込まれているスペックはVAIO type Rと遜色ない。
このレビューで取り上げているVGC-H73DB2RとVGC-H73B7(デジタルチューナを搭載しない17インチ液晶ディスプレイセットモデル)はCPUにデュアルコアのPentium D 920(2.80GHz)を搭載。高画質化機能「Motion Reality LE」と高品質サウンドエンジン「Sound Reality」を実装するなど、VAIO type Rに匹敵するスペックを有している。
スリムタワーの筐体に多様なインタフェースが用意されているのもVAIO type Hの特徴だ。とくにフロントにはメディアの種類ごとに専用のカードスロットが用意され、USBやi.LINK、サウンドやコンポジット入力なども正面からアクセスできるなど、使うときに抜き差しする周辺機器やメモリカードの使い勝手はすこぶるよろしい。
先ほども少し述べたように、デジタル放送に対応するVGC-H73DB2Rの実売価格は約33万円と、コストパフォーマンスを誇るVAIO type Hとしてはやや高めの設定となっている。これはセットになっているVGP-D20WM1の価格が大きく影響しているためだ。
デジタル放送と20インチのワイド液晶ディスプレイの代わりにアナログダブルチューナーを搭載して最大解像度1280×1024ドットの17インチ液晶ディスプレイ「VGP-D17SM1」がセットになるVGC-H73B7なら実売価格は約23万円となる(ほかに主要なスペックではメモリ容量がVGC-H73DB2Rで1Gバイト、VGC-H73B7で512Mバイト。HDD容量も同じく400Gバイトに300Gバイトといった違いがある)。コストパフォーマンスを最優先させたいユーザーならばVGC-H73B7という選択も検討する価値はあるだろう。
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