USBメモリに“思い出”をずっと残しておけますか?(2/2 ページ)
「PC周辺機器はつまらない」──ソリッドアライアンスがイタリア在住のデザイナーと組んで何かを計画している。なにやら“パンク”な波長がシンクロしたのだという。一体何事なのだろうか──。
「そんなとき見つけたんです。SushiDiskを」
誰が見てもUSBメモリ本来の機能を実現するには無駄な“物体”が付属するSushiDiskだが、そのコンセプト、そしてそれを実際に形にしてしまったソリッドアライアンスの考え方に、Toshi Satoji氏はシンパシーを感じたという。2005年8月、SushiDiskの存在に気がついたToshi Satoji氏は同社にアプローチを行った。
「びっくりしましたよ。すごい人からいきなりアプローチがあったので」(越田)
「実際会って、お互い共感しました。“パンク”な精神が一致したというか」(Satoji)
いわゆる“PC周辺機器”という概念を覆す──製品のコンセプトが決まった。
「手間をかけると、そこから今までとは違う“何か”が生まれるんです」(Satoji)
価値観は人それぞれ……?
USBメモリというPC周辺機器は、
- 小さい/軽量
- 手軽に使える
- 大量生産品で、一般的には薄利多売
- 基本的な機能はどれも一緒
- ガワは主にプラスチック
などの特徴を持っている。ソリッドアライアンスとToshi Satoji氏は、何を覆そうとしているのだろうか。
「ただ、安価や付加価値の概念を覆そうと、例えば宝石を付けたりとかで高価にすればいいのか。これも手段の1つですが、私らがそれをやっても仕方ありません。工業デザインが生まれたとき。お茶碗に例えると、昔は土をこねて手で作っていた。しかし工業デザインが生まれて、100万個同じものを同じ色、品質で作れるようになりました。みんなそれはすごいと思いましたよね。便利な世の中になったなと。しかし、例えばアートなどの一品生産ものは価値が出て評価されるなど、世の中、正反対のことが起こる風潮もあります」(Satoji)
それを欲する人はごく少数かもしれない。「価値観」は人それぞれだ。でも二人が思い描く、ごく一部かもしれないある「価値観」を満たせる製品はなかった。
「クルマも、機能だけ見るなら軽自動車でいいじゃないですか。でも、もちろん違いますよね。フェラーリに憧れる、ベンツがほしい。なぜそう思うのか、ということなのではと思います」
ヒントはこのくらいにしておこう。ちなみに発売は2007年第1四半期を予定、「10万円は下らないと思います」(越田)という。
2007年の第1四半期に、それを「くだらねぇ」ととるか「興味ねぇ」ととるか、琴線に触れるか、何かが起こる。どちらにせよ、してやったりと「ぺろり」と舌を出している二人が目に浮かぶ。
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