失ってから気付くまえに――「LANDISK Tera」を使う(3/3 ページ)
思い出の詰まった写真やビデオがある日突然、消えてしまう。そうならないためにはRAID機能を備えたNASの運用が有効だ。アイ・オーの最新NAS「LANDISK Tera」を試した。
転送速度検証
FDBENCH 1.01の結果、およびLANDISK Teraへの書き込み、読み出しの所要時間は以下のとおり。なお、クライアント側のPCスペックは、CPUがPentium 4 2.60GHz、メモリ1Gバイト、HDDが320Gバイト(WD3200JD-00KLB0)、ギガビットLAN(オンボード)、Jumbo Frameを16128byteに設定している。
コストを無視すればRAID 1+0が最もよさそうだが、HDD容量の半分しか利用できないのは家庭での運用を考えるとやはりもったいない。そんな場合でも、RAID 0にしてパフォーマンスを追求しつつ定期的に外付けHDDにバックアップしたり、バランスのとれたRAID 5などを選択ができるところがLANDISK Teraの魅力だ。運用・保守において柔軟性という「新機能」が追加されたことにより、コンシューマ向けNASは新たな時代を迎えたと言っても過言ではないだろう。
方法はたくさん、あとはユーザ次第
一通り使ってみて感じたのは、想定されている利用環境がいまひとつはっきりとしないということ。DLNAサーバ機能などを考えると家庭内での利用を想定しているようにも思えるが、RAID構成での信頼性や保守性の高さは企業ユースとしても十分だ。しかし、そのわりにアクセス権の設定は柔軟性に欠ける部分が見られる。あえていうなら、ホームユースで“本当に大事なデータ”を管理する時に真価を発揮しそうではある。
共有フォルダのアクセス権は、全ユーザ/指定ユーザのみ/指定グループのみに許可、から選択できるが、指定ユーザと指定グループは1つしか選択できない。複数のユーザを指定したければ、必ずグループを作成してからグループ単位で登録する必要がある。これだと、例えば会社で利用部署ごとに共有フォルダを作成、ただし社長はすべてのフォルダが見られるようにしたいといったときに、全部署に社長を登録することになるだろう。このあたりは最初によく吟味しておかないと、いらいらしながら何度も登録しなおすはめになりそうだ。
また、バックアップやミラーリング、RAIDなど、一見同じような目的の機能が複数あるため、それをどうやって組み合わせて運用していくかは、ある程度の経験や知識が必要となる。どの部分のバックアップになるのか、HDDなのか、それとも本体そのものなのか、障害が発生した場合、復旧のプロセスはどうなるのか、また容量を増やしたいときにはどうするのかといったことについて、最初のボリューム設定時にきちんと考えておきたい。
もっとも、Relational HDの汎用性、外付けでも内蔵でも使えるSerial ATAの柔軟性、そしてLANDISK Teraの多彩なドライブモードによって、さまざまな方法で運用・保守を行えるのはありがたい。さまざまな状況下で自分の利用形態にあった運用ができるはずだ。
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