「弊社の強味はAQUOSです」──シャープの“テレパソ”は亀山が頼り:割り切りのいいPCとTVの関係(2/2 ページ)
シャープは2月28日に、インターネットAQUOSの第2弾を発表した。今回登場するラインアップはPC本体3モデルと「3サイズ」「3色」のTV9モデルを組み合わせた合計27モデル。出荷は3月下旬から順次開始される予定だ。
PC本体のCPUはPC-AX120SでCore2 Duo T5500(動作クロック1.66GHz)、PC-AX80SとPC-AX60SにはCeleron M 410(同1.46GHz)が搭載されている。チップセットはすべてのモデルでIntel 945GM/ICH7-Mを採用。メモリはPC-AX120SでDDR2-533MHz/1Gバイト(最大2Gバイト)、PC-AX80SとPC-AX60SでDDR2-533MHz/512Mバイト(最大2Gバイト)。PCが利用できるHDDはPC-AX120Sで250Gバイト(Serial ATA/150)、PC-AX80SとPC-AX60Sで80Gバイト(Serial ATA/150)。
従来のインターネットAQUOSの筐体はPCというイメージから少し離れた独特のデザインであったが、今回登場するモデルはフロントパネルこそAV機器を意識しているものの、筐体のサイズと形状は省スペースPCケースに近い。フロントにはカバーに隠されたトレイ式の光学ドライブとインタフェースパネルが配置されている。PC本体に用意されたインタフェースはAQOUS D10シリーズに画像を出力するDVI-I(HDCP対応)に、デジタル録画ユニット専用のi.LINK、USB 2.0×4、LAN(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)など。AQOUS D10シリーズが備えているHDMI端子は今回も搭載されなかった。
製品説明会では、「インターネットAQUOSによってTVと接続するPCの認知度が上がっていき、今年になってほかのメーカーが追従したことで、いよいよ普及するのではないかと楽しみにしている」という発言がシャープからなされた。しかし、今回登場したインターネットAQUOSは、「HDMIを持たない」「PCとTVが完全に分利していてPCからTVコンテンツを利用できない」「Blu-ray、もしくはHD DVDといった新世代光学ドライブを搭載していない」「光学ドライブにHDコンテンツをムーブできない」などなど、「追従した」ソニーのVAIO TP1や富士通のFMV TEOがHDMIやWindows Vistaの実装されたMedia Centerの活用しているのとは対照的な内容となっている。
この点について、商品企画の責任者でもあるシャープの笛田進吾氏(情報通信事業本部通信融合端末事業部新規事業推進センター IA グループ チーフ)は、TVとして使うのに適しているのは「圧倒的にうち(シャープ)ですね」と語る。
「前のモデルを含めて3年ほどやっているのでかなりノウハウを吸収しています。PCでデジタル処理をするとものすごくコストがかかる。しかし、TV側のコストは非常に下がっている。PCでTVを見る時代ではない。PCにTVを接続するがTVはTVなんです。 前モデルの反省は(1台のシステムで)チューナーを8個積んでいたことでした。いま見ている番組がどのチューナーを使っているのか分からなくなってしまう。TVのチューナーで見ていたらPCで録画がすぐにできません。ユーザーから見れば余計なお世話であると。簡単に使える究極の形がこれ(PCとTVを完全に分離した新しいインターネットAQUOS)なのです」(笛田氏)
製品発表会では情報通信事業本部本部長の大畠昌巳氏が従来のインターネットAQOUSのビジネスについて「TV売り場においてはPCが付属している分、価格の点で苦しかった」と振り返っているが、このことが、コストを強く意識した先の笛田氏のコメントや26インチ、20インチというパーソナルサイズTVとの組み合わせモデルの登場に大きく影響していると考えられる。
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