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正確な色再現を実現するハードウェアキャリブレーション(後編)(2/2 ページ)

日本サムスンの「SyncMaster XL20」は、実売16万円前後で購入できるAdobe RGB対応の液晶ディスプレイとして注目を集めている。価格を抑えていながら、専用のハードウェアキャリブレーションツールや遮光フードが付属しているのも魅力だ。今回は、SyncMaster XL20が持つ付加機能を紹介、プロカメラマンの永山昌克氏によるインプレッションもお届けする。

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プロカメラマン永山昌克氏がSyncMaster XL20を体感

 Adobe RGBの色域をサポートしたSyncMaster XL20は、一般的なsRGB対応ディスプレイと比較して、とくにグリーンからブルーにかけての色彩が鮮やかに表現できる。その実力をプロカメラマンの視点から、永山昌克氏にチェックしてもらった。


SyncMaster XL20を試用する永山昌克氏

 デジタルカメラの性能は近年急速に進化し、どのメーカーのどの製品を使っても大きな不満を感じることは少なくなった。たとえわずか数万円のコンシューマー向けのカメラであっても、高価なプロ機材に匹敵する高画質で記録できる。もはや機材の違いよりも、撮影の腕やセンスが問われる時代になった。ただし、入力側ではなく出力側に関しては、まだまだ発展途上。カメラがどんなに多くの情報量を記録しても、現状ではそれを正確に再現できる製品や環境が十分に整っているとは言いがたい。数十万円もする高価なプロ向けのディスプレイで表示すれば、実はカメラの性能が思っていたより高かったと気付くことがあるくらいだ。

 その意味で、日本サムスン「SyncMaster XL20」の登場は大歓迎だ。たとえばRAW撮影した画像を現像する際、これまでの私は、仕事先からカラースペースの指定がない限りはAdobe RGBではなくsRGBを選んでいた。Adobe RGBのほうが色域が広いことは分かっていても、それを表示する環境がなければ現像やレタッチのしようがないからだ。とりあえずオリジナルのRAW画像を残しておけばいいだろう、なんて思っていた。

Adobe RGBは鮮やかなグリーンの発色に注目

 今回「SyncMaster XL20」を試用して、撮りためたRAW画像をあらためて現像し直そうという気持ちになった。とくにブルーやグリーンの再現性のよさには目を見張った。飽和してつぶれたように見えていた色が滑らかな階調で表示できている。湖底まで透き通る中国九寨溝の湖や、チベットの深みのある湖や青空の空気感が的確に再現され、撮影したときのイメージが蘇る。印刷用だけでなくWebで発表する場合もあるので、ワンタッチでsRGBモードに切り替えられる点もありがたい。キャリブレーションツールがセットになってこの価格は画期的。デジタルカメラが持つ本来の性能をフルに引き出せる。


 以上、2回にわたってSyncMaster XL20におけるカラーマネジメント機能を解説した。次回は同製品の液晶ディスプレイとしての実力に迫ってみたい。

永山昌克

1966年大阪生まれ。年数回の中国渡航を続け、人や街をテーマに写真を撮り続けるフリーカメラマン。デジタルカメラのライターとしても幅広く活躍中で、一眼レフ機からコンパクト機まで造詣が深い。

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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年4月15日

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