Adobe RGB対応20.1インチ液晶ディスプレイ「SyncMaster XL20」の実力(1/2 ページ)
日本サムスンから、カラーマネジメント対応液晶ディスプレイの常識を打ち破る「SyncMaster XL20」が登場した。sRGBより広いAdobe RGBの色域をカバーし、ハードウェアキャリブレーション機能を標準装備していながら、実売16万円以下と求めやすい価格を実現した話題の製品だ。早速、その実力に迫ってみたい。
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前回、前々回と2回にわたり、SyncMaster XL20に付属するハードウェアキャリブレーションツールを使って、正確な色再現を行う方法を紹介した。今回は、SyncMaster XL20自体の性能をチェックしよう。
広色域カラーマネジメントを1台でこなすオールインワン構成
SyncMaster XL20最大の特徴は、広大な色域にある。通常の液晶ディスプレイが再現できる色域はsRGB程度だが、SyncMaster XL20はそれより約40%も広い色域を確保しているのだ。その色域は、対NTSC比で114%もの領域をカバーしており、Adobe RGBの色空間に対応したデータを損なうことなく再現できる。
これまでデジタルカメラで撮影した広色域のデータを表示する場合、通常の液晶ディスプレイではsRGBを超える色域が確認できなかったわけだが、Adobe RGB対応のSyncMaster XL20であれば、輝くエメラルドグリーン、鮮烈なレッド、濃密なブルーといった「再現できなかった色」を映し出せる。その色彩は、撮影時の臨場感がよみがえってくるほどリアルだ。
広大な色域を支えるのが、新採用のLEDバックライトだ。一般的な液晶ディスプレイが採用するCCFL(冷陰極蛍光管)バックライトは、低コストで高輝度を確保できる半面、緑から青にかけての色域を拡張しにくいという問題があった。これに対してLEDバックライトは、CCFLを大きく上回る色域をカバーしつつ、十分な輝度も確保することが可能だ。LEDバックライトの技術はまだ成熟していないため、バックライト部の薄型化は困難だが、サムスンは独自技術でこれを克服し、さらに低コスト化にも努めている。また、LEDは水銀を使わないため、環境に優しいというメリットも持つ。こうした企業努力があって、低コストのAdobe RGB対応液晶ディスプレイが誕生したのだ。
2つ目の特徴が、ハードウェアキャリブレーション機能を標準搭載している点だ。専用の測色器と、独自のキャリブレーションソフト「Natural Color Expert」が付属し、一通りのカラーマネジメントが追加投資なしで行える。その簡便な操作性と高度な機能は、前回と前々回で示した通りだ。
さらに、外光を遮断して視認性を高めるアルミニウム製の遮光フードや、簡易色校正が可能なソフトプルーフツール「Image Viewer」まで同梱されている。とくに遮光フードは、内側に黒色のフェルト地を貼って外光やディスプレイからの光が反射するのを防いでいるほか、装着のしやすさや安定性にも配慮されており、秀逸な出来だ。
提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年4月15日
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