Adobe RGB対応20.1インチ液晶ディスプレイ「SyncMaster XL20」の実力(2/2 ページ)
日本サムスンから、カラーマネジメント対応液晶ディスプレイの常識を打ち破る「SyncMaster XL20」が登場した。sRGBより広いAdobe RGBの色域をカバーし、ハードウェアキャリブレーション機能を標準装備していながら、実売16万円以下と求めやすい価格を実現した話題の製品だ。早速、その実力に迫ってみたい。
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高品位な液晶パネルとさまざまな高画質化技術を搭載
もちろん、SyncMaster XL20は液晶ディスプレイとしての性能も高い。高精細な1600×1200ドット(UXGA)表示の20.1インチ液晶パネルは、上下/左右178度の視野角がある。画面を見る角度によってコントラストや色調が変化しにくいうえ、VA方式により液晶の苦手とする黒の締まりも良好だ。同じく液晶の弱点である動画の残像感を低減するため、中間階調の応答速度を改善する独自のRTAチップを搭載しているのも見逃せない。中間階調で8msという高速応答を実現したことで、動画編集などにも積極的に活用できるだろう。
静止画の高画質化についても抜かりがない。SyncMaster XL20は、PCから入力されたRGB各8ビット(約1677万色)の信号を多階調変換し、内蔵の10ビットルックアットテーブルに展開する。展開されたデータは、キャリブレーションの測定結果をもとに14ビット精度で演算処理が施され、最適な8ビット分のデータを液晶パネルで表示する仕組みだ。この10ビット変換と14ビット演算により、正確な色再現と滑らかな階調表現を可能にしている。
入力インタフェースは、デジタル/アナログ兼用のDVI-Iとデジタル専用のDVI-Dを装備。キャリブレーションの精度を高めるにはデジタル接続が必須だが、2系統のデジタル接続に対応しているのはうれしい。USB 2.0のハブ機能を搭載しているのも気が利いている。
液晶パネルの柔軟な位置調整に対応しているのもポイントだ。前後のチルト、左右のスイベル、高さ調整に加えて、画面を90度回転させての縦位置表示も行える。画面を回転させる動作に合わせて、表示が縦位置/横位置に自動的に切り替わるオートピボット機能を搭載しているため、表示方向の変更は容易だ。
SyncMaster XL20は、Adobe RGB対応の高画質な液晶ディスプレイにハードウェアキャリブレーション機能をセットにした構成で、実売16万円以下という価格を実現している。いままで数十万円の投資が必要だったAdobe RGB対応のカラーマネジメント環境がこの価格でそろうのは、まさに画期的だ。より鮮やかに、そして正確に色を表示したいと考えるユーザーユーズを、SyncMaster XL20であれば低予算で満たしてくれるに違いない。
SyncMaster XL20の仕様 | |
---|---|
パネルサイズ | 20.1インチ |
パネルタイプ | VA |
光源 | LEDバックライト |
画素ピッチ | 0.255×0.255ミリ |
表示画面サイズ | 408×306ミリ |
最大解像度 | 1600×1200ドット |
輝度 | 250カンデラ/平方メートル |
コントラスト比 | 600:1 |
視野角 | 上下178度、左右178度 |
応答速度 | 8ms(中間階調) |
最大表示色 | 約1677万色 |
水平走査周波数 | 30〜81kHz |
垂直走査周波数 | 56〜75Hz |
入力端子 | DVI-I 29ピン、DVI-D 24ピン |
USB 2.0ハブ機能 | アップストリーム×1、ダウンストリーム×2 |
チルト調整 | 前15度、後5度 |
スイベル調整 | 左150度、右150度 |
高さ調整 | 80〜100ミリ |
縦位置表示 | ○(90度回転、オートピボット対応) |
電源スイッチ | ○ |
消費電力 | 最大85ワット、節電時5ワット |
アームマウント | VESA 100×100ミリ |
本体サイズ | 448(幅)×220(奥行き)×390.8(高さ)ミリ |
重量 | 約7.6キロ |
保証期間 | 3年 |
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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年4月15日
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