CPUやHDDの強化を図った液晶一体型PCのスタンダード機――VALUESTAR S:2007年夏 Vista搭載PC特集
NECの液晶一体型PCで、スタンダードモデルに位置付けられるのがVALUESTAR Sだ。夏モデルでは基本スペックの底上げが中心となる
CPUの高速化とHDD容量アップが中心のマイナーバージョンアップ
NECの液晶一体型PCは、エントリー向けの新モデル「VALUESTAR N」シリーズの登場と最上位「VALUESTAR W」シリーズの春モデル継続販売が行われたため、スタンダードモデルの「VALUESTAR S」シリーズが中核を担うことになった。
ラインアップは、従来通り20インチワイド液晶ディスプレイ(1680×1050ドット)を搭載した上位機と17インチスクエア液晶ディスプレイ(1280×1024ドット)を備えた下位機という構成だが、モデル数は春の5モデルから3モデルに減っている。具体的には、デュアルコアCPUのCore 2 DuoとBlu-rayドライブを搭載したハイエンドモデルがなくなり、店頭モデルはすべてCeleron MのCPUとDVDスーパーマルチドライブを採用した価格重視のラインアップとなった。なお、同社の直販サイト「NEC Direct」ではCore 2 DuoやBlu-rayドライブを選択することが可能だ。
チルトとスイベルに対応した液晶ディスプレイ部が、PC本体の上に設置される独特のボディやキーボードを本体下部に収納できるスライドインキーボードといった特徴はそのままに、夏モデルではCPUの高速化とHDDの大容量化が行われた。基本スペックは3モデルとも共通で、CPUはCeleron M 430(1.73GHz)、メインメモリは1Gバイト、チップセットはATI Radeon Xpress 1250、光学ドライブはDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ、OSはWindows Vista Home Premium、OfficeスイートのOffice Personal 2007を採用している。
20インチワイド液晶ディスプレイを備えた最上位の「VS770/JG」は、地上デジタルTV/地上アナログTVチューナーとNTSC比で約72%の色度域を持つスーパーシャインビューEX2液晶を搭載し、HDD容量が春モデルの320Gバイトから500Gバイトに増量した。中位の「VS570/JG」は、VS770/JGの液晶ディスプレイを17インチスクエア(スーパーシャインビューEX液晶)に変更したモデルで、エントリーの「VS300/JG」はTVチューナーを省いたシンプルなモデルだ。さらにVS300/JGはHDD容量が320Gバイトとなり、上位2モデルが内蔵していた無線LAN(IEEE802.11a/g/b)も省略されている。
実売価格は、VS770/JGが27万円前後、VS570/JGが24万5000円前後、VS300/JGが20万円前後で、4月下旬には発売される予定だ。
VALUESTAR Sの概要(その1) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
VALUESTAR S | VS770/JG | 液晶一体型 | マイナーチェンジ | Celeron M 430(1.73GHz) | 1024MB | 500GB | Home Premium | 27万円前後 |
VS570/JG | 液晶一体型 | マイナーチェンジ | Celeron M 430(1.73GHz) | 1024MB | 500GB | Home Premium | 24万5000円前後 | |
VS300/JG | 液晶一体型 | マイナーチェンジ | Celeron M 430(1.73GHz) | 1024MB | 320GB | Home Premium | 20万円前後 | |
VALUESTAR Sの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
VALUESTAR S | VS770/JG | 20インチワイド | 1680×1050 | ATI Radeon Xpress 1250 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | 地デジ/地アナ | 約18キロ |
VS570/JG | 17インチ | 1280×1024 | ATI Radeon Xpress 1250 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | 地デジ/地アナ | 約16キロ | |
VS300/JG | 17インチ | 1280×1024 | ATI Radeon Xpress 1250 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | - | 約15キロ |
関連記事
さらなるHome Premium化の推進と新スタイルPCの投入――NEC LaVie/VALUESTAR
NECがVALUESTAR/LaVieシリーズの全ラインアップを一新した。新コンセプトのVALUESTAR Nが登場するも、多くはマイナーバージョンアップにとどまる。ノートPCでもデスクトップPCでもない“何か”――NEC「VALUESTAR N」
NECの夏モデルで登場した「VALUESTAR N」シリーズは、ノートPCとデスクトップPCの“いいとこ取り”を狙ったニューフェイスだ。NEC版“ボードPC”の実力をいち早くチェックしよう。パーソナルな液晶一体型で新たなPCスタイルの提案――VALUESTAR N
夏モデルで新たに登場したNECのVALUESTAR Nは、スリムで小型な新スタイルのパーソナル液晶一体型マシンだ。順当なスペックアップを果たしたセパレート型PC――VALUESTAR L
PC本体と液晶ディスプレイが分離したセパレート型のVALUESTAR Lシリーズは、ラインアップを全3モデルに絞りつつ、仕様の強化が行われた。高解像度・広色度域・高速無線LANを備えたノートPCの最上位機――LaVie C
NECのLaVie Cは、夏モデルで液晶ディスプレイの高解像度と広色度域化、高速無線LANの搭載といったフラッグシップ機らしい強化が図られた。CPUとHDDをパワーアップした主力ノートPC――LaVie L アドバンストタイプ
NECの主力ノートPC「LaVie L アドバンストタイプ」がモデルチェンジし、CPUの高速化とHDDの増量が行われた。ボディカラーを一新し新色も登場したベーシックノートPC――LaVie L ベーシックタイプ
NECのベーシックノートPCがモデルチェンジを行った。Home Basic搭載の最廉価モデルがボディカラーを一新し、直販モデルに新色が追加された。Core 2 Duoの搭載でワンランク上の性能を獲得したモバイルPC――LaVie J
NECのモバイルPC「LaVie J」シリーズの夏モデルは、CPUのデュアルコア化と指紋認証ユニットの内蔵が大きなトピックだ。NとEとCを忘れずに――NECデザインの取り組み
語られるようでいて実は語られていない、PC・周辺機器のデザインにフォーカスした本連載。PCメーカー編の第2回はNECの「VALUESTAR Sシリーズ」だ。「これでいい」より、「これがいい」――NECデザインの意気込み
語られるようでいて実は語られていない、PC・周辺機器のデザインにフォーカスした本連載。PCメーカー編の第3回はNECの「LaVie C/Lシリーズ」だ。32Gバイトフラッシュメモリ搭載ノートも登場した夏の新作──ソニーVAIO
ソニーは4月10日、VAIOデスクトップPC/ノートPCの4モデルを発表した。また、VAIOオーナーメードモデルでは32Gバイトフラッシュメモリ搭載モデルが追加。4月21日より順次出荷を開始する。「美しいVistaには美しいボディを」――Home Premium全面採用でデザインを一新した東芝dynabook/Qosmio
東芝は4月12日、ノートPC「dynabook/Qosmio」シリーズ7モデルを発表した。dynabook AX/TXが新デザインに生まれ変わり、スタンダードモデルを大幅に拡充している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.