日本でトップを狙うならコンシューマーのさらなる成長が不可欠:新モデルの投入を示唆
デルが2007年上半期(2月~8月)の総括と今後の方針について事業説明会を行った。ここではコンシューマー分野における業績を紹介しよう。
グローバルで組織改編と多数の新製品を投入
代表取締役社長のジム・メリット(Jim Merritt)氏は冒頭、米国で8月30日に発表された同社第2四半期暫定業績(148億ドルの売り上げ、8億9600万ドルの営業利益)を報告した。そして「大変アクティブな四半期だった。わたしがデルに入社してから約9年たつが、これだけの新しいエグゼクティブが入り、同時にグローバルでこれだけの組織変革を行った記憶はない」と振り返った。
具体的には、各市場に向けて新製品を多数投入したこと、ユーザーに直接販売を行う小売店とのパートナーシップを結んだこと、戦略的な企業買収を行ったことの3点を挙げた。まず新製品については、大企業向けにLatitudeシリーズ、中小企業向けに新ブランドのVostroシリーズ、そしてコンシューマー市場には新Inspiron/XPSシリーズと、エキサイティングな製品をワールドワイドで投入できたとした。
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そして、これまでのダイレクトモデルとは違ったアプローチで展開すべく、米国ではウォールマート、英国ではカーフォン・ウェアハウス、日本ではビックカメラと提携し、量販店の店頭でデル製品の販売を開始した。メリット氏は「これまで直販に縁がなかった人にアプローチするには有効だが、ダイレクトモデルは堅持している」と強調した。
もう1つのアプローチとしては、「SilverBack Technologies」「ZING Systems」「ASAP Software」を買収したことを挙げた。これらの新製品投入、小売りとのパートナーシップ、企業買収をグローバルに展開することで、変革を継続していることをアピールした。
日本でNo.1になるためにはコンシューマー市場での成功が不可欠
日本を含むアジア太平洋地域では「過去最高の売り上げを達成した第2四半期だった」とし、「売り上げと利益のバランスを取りつつ成長できたのが重要だ」と述べた。特に日本市場では年初から新規の個人ユーザーを15万人、法人ユーザーは13万件を獲得できたという。「市場シェアで第2位のポジションを獲得できた。+4ポイントのシェアを上乗せできて重要な第2四半期だった。右肩上がりのグラフを維持しているのはデルだけだ」と指摘。「ここ3四半期を振り返ってみると、日本のPC市場はあまり伸びておらず、その中でデルだけが成長しているのは、競合他社のシェアを獲得しているから。非常に競争が激しい市場であり、今後もマーケットの統合が進むと考えている」との考えを示した。
各市場別の事業展開としては、すでに市場シェア第1位となっている大企業向けではカスタムサービスやソリューションを継続的に提供し、過去最高の市場シェアを実現した中小企業向けでは、新ブランドのVostroシリーズをフックにして質の高いサービスを提供していくとした。
一方、市場シェア第5位に甘んじているコンシューマー市場では、「革新的な新製品の継続投入、ビックカメラとの提携を推進していく」と述べ、今後の新モデル投入を示唆した。「この分野は競争が厳しく、手強いライバルばかりだが、大きな潜在力がある」とし、「日本市場でNo.1になるためには特に強化していかなければならない分野であり、パートナーとともに歩んでいきたい」とまとめた。
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