DDR2でIntel X38 Expressを使う──GIGABYTE「GA-X38-DQ6」:イマドキのイタモノ(2/2 ページ)
DDR2メモリとIntel X38 Expressチップセットの組み合わせは、DDR3に負けないパフォーマンスを発揮できるのだろうか?
X38&DDR3-1333メモリの組み合わせにはわずかに及ばないが
GA-X38-DQ6のBIOS設定では、「MB Inteligent Tweaker」で各種チューニングが行える。システムクロックでは、最大700MHzまで(FSBとしては2800MHzとなる)の設定が可能だ。Intel X38 Expressチップセットに導入された「Intel Extreme Memory」に関しては、今回の評価作業においてBIOS設定に表示されなかった。また、インテル純正のオーバークロックツール「Intel Extreme Tuning」も付属せず、GIGABYTEが提供する従来からのオーバークロックツールを利用することになる。
今回のレビューで最も注目したいのは「DDR3とDDR2とでIntel X38 Expressマザーのパフォーマンスにどの程度の違いがでるのか」だろう。そこで、P5E3 Deluxeの評価作業で測定した同じ項目でGA-X38-DQ6もベンチマークテストを行った。システム構成では、CPUにCore 2 Duo E6700および同E6750を使用し、メモリはCORSAIRのDDR2-1066MHzを組み合わせた。メモリクロックは、FSB1066MHzのCore 2 Duo E6700でもFSB1333MHzのCore 2 Duo E6750でも「Auto」設定で1066MHz動作となっている。
PCMark05のスコアを、P5E3 Deluxeと比較してみると、GA-X38-DQ6のパフォーマンスは、P5E3 DeluxでDDR3メモリを1066MHz動作させたときを上回り、DDR3を1333MHz動作させた結果に近い値となっている。Intel X38 ExpressチップセットとDDR2メモリの組み合わせは、総合的なパフォーマンスにおいてそれほど不利にならないと考えてよさそうだ。
Radeon X1950 Proのグラフィックスカードを2枚使ったCrossFire構成における3D性能も比較してみたが、メモリの違いよりも、Intel X38 Express チップセットが2本のPCI Express x16で動作する影響が大きいようで、2本のPCI Express x8で動作する「CrossLinx」を利用する「Blitz Formula」のスコアを大きく上回っているだけでなく、P5E3 Deluxと比較してもほとんど差がなかった。
インテル製チップセットの最上位モデルとなるIntel X38 Expressであるだけに、それを搭載したハイエンドマザーボードに現在の最高峰規格であるDDR3メモリを組み合わせたくなる気持ちはよく理解できるが、現時点では、定格動作においてその価格に見合ったパフォーマンスの違いを十分に発揮できる状況にないといわざるを得ない。DDR2メモリが使えるIntel X38 Express搭載マザーボードのパフォーマンスが、DDR3メモリ対応モデルと遜色ないとすれば、DDR3からDDR2にすることで浮いたコストを、CPUやグラフィックスカードにシフトすれば、システム全体として、パフォーマンスが向上することも考えられる。
Intel X38 Expressに導入されたオーバークロック機能を利用してシステムをフルチューニングしたいという需要に対しては、高クロック動作に耐えることができるDDR3が適しているかもしれないが、コストパフォーマンスを意識したうえでIntel X38 Expressを導入する場合は、GA-X38-DQ6のような、DDR2対応のマザーボードを選択するのが、現時点における最も適切な選択となるのではないだろうか。
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