ディレクターが明かす「FireGL」の目指すステージとは
ワークステーション向けGPU「Fire GL」の新しいラインアップが2007年8月に発表されたが、その日本市場への販売時期と価格が明らかにされた。
日本AMD(ATI Technologies)は11月8日に、ワークステーション向けGPU「Fire GL」のマーケティング戦略について、来日した米AMD ワークステーショングラフィックス シニアディレクタのジャネット・マツダ氏による説明会を行った。
AMDは、統合シェーダユニットを搭載したDirectX 10対応のRadeon HD 2000シリーズをベースにした新しいFireGLシリーズを2007年8月に発表している。マツダ氏は、「FireGL V8650」「同 V8600」「同 V7600」「同 V5600」「同 V3600」と、ウルトラハイエンドからエントリークラスまでの4つの階層で用意された、新しいFire GLのグラフィックス性能について「各レンジで最大の性能を発揮できるようにラインアップを用意している」と説明したほか、最近注目されている、もう一面の性能である“ストリーミングコンピューティング”についても、グラフィックスのパワーをHPCなどの演算ユニットとしても提供できると紹介した。
加えてマツダ氏は、AMDが目指すグラフィックスワークステーションの市場として、エンジニアリングユーザー、デジタルコンテンツクリエーター、医療研究者を挙げて、それぞれの市場にシステムやアプリケーションを供給している多数のベンダーに対して強力なサポートを行っていると述べた。
FireGLの日本における販売を取り扱うエーキューブは、これらの新しいFire GLラインアップの出荷開始時期と価格を紹介した。出荷はエントリークラスのFire GL V3600とミドルレンジのFireGL V5600が11月下旬から開始され、その後、ハイエンドのFireGL V7600が12月上旬から、ウルトラハイエンドのFireGL V8600、同 V8650が12月下旬から出荷される。
価格は、FireGL V3600が4万円台後半、FireGL V5600が10万円前後、FireGL V7600が16万円前後、FireGL V8600が30万円前半、同 V8650が40万円台を予定している。
マツダ氏に先立ってスピーチを行った、日本AMD 取締役 マーケティング本部長の吉沢俊介氏は、「AMDのフォーカスはエンタープライズである」とワークステーション市場を重視しているAMDの姿勢を示し、市場規模は大きくないが、プロセスパワーと先進の技術を必要としているグラフィックスワークステーションは技術的に重要であると位置付けたうえで、「CPUとGPUのイノベーションを両輪で行えるAMDが、先進の(グラフィックスワークステーション向け)製品を出していく。期待してほしい」と、参列した関係者に向けてアピールした。
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