ノートPCで3Dゲームが普通になった日:「GX600」発売記念イベント
MSIがゲーマー向けノートPC「GX600」を発売し、同製品のローンチイベントを開いた。そこで行われた、記者対抗ゲーム大会の結果は……。
近日登場が噂される「Core 2 Extreme QX9650」のデモを実施
カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店で、MSIが「GX600発売記念お客様大感謝祭」を開催。ときおり激しい雨が降るなか、昼頃からPCゲームに関心を持つ熱心なユーザーが大勢つめかけていた。
会場には「GX600」のデモ機が多数並び、未発売のMSI製マザーボードやグラフィックスカードなどが展示されていた。中でも注目を集めていたのは、アキバで初披露となるインテルの最新CPU「Core 2 Extreme QX9650」を搭載したデモ機だ。
Core 2 Extreme QX9650は製造プロセス45ナノメートルのCPUで、L2キャッシュの容量が従来比1.5倍増の6Mバイトとなり、新しい命令セット「SSE4」を追加している。アキバでは近日の発売するという噂が流れており、その価格は10万円以上と予想される超高価なモデルだ。
デモ機には、Intel X38 Expressチップセットを搭載したMSIの現行最上位マザー「X38 Diamond」を採用。MSIによると、11月中に発売される予定で、その価格は4万2000円前後になるという。
その一方で、AMDの新プラットフォーム「AM2+」に対応したデモ機や展示品にも、熱い視線が送られていた。ただ、12月に発売予定のAMD系最上位マザー「K9A2 Platinum」のデモ機には、Athlon 64 X2 6400+を搭載。「諸事情により、Phenomは組み込めませんでした……」(MSI)とのことで、Core 2 Extreme QX9650同様、こちらも情報公開にデリケートな様子だった。
なお、MSIの担当者によると「K9A2 Platinum」は2万5000~8000円程度で出回る予定。「AMD系ユーザーは安さを求める人が多いので、本当は2万円台前半まで下げたかったです。それでも、X38マザーの対抗馬としては値頃ですね」とのこと。
もたつきゼロのGX600を実感――記者対抗ゲーム大会で汚名を残す
イベントの主役である「GX600」は、GeForce 8600M GTを搭載し、WSXGA+表示が可能なハイスペックノートPCだ。MSI独自の「Turbo Drive Engine(TDE)」を搭載しており、キーボード面右上にある「Turboボタン」を押すと、CPUの動作クロックを20%引き上げることができる。
そのほか、15.4型ワイドサイズではめずらしくテンキーを備えており、ゲームでよく使うキーに目立つ刻印を施している。HDMI出力端子やe-SATA端子も備えており、ノートPCとしては上々の拡張性を持っている。
会場では、GX600にインストールされたミリタリー系のファーストパーソン・シューティングゲーム「F.E.A.R.」を使ったゲーム大会が計4回行われた。3Dゲームが十分に動作できるGX600のパフォーマンスを堪能してもらうのが目的で、MSIは「ゲーマーPCとしてノートは劣るという感覚をなくしていきたい。GX600が発売された今日は“ノートで3Dゲームが普通になった”記念日です」と力説する。
ゲーム大会に参加したユーザーの多くは、MSIの狙い通りにGX600の性能に満足した様子だった。ある男性は「思っていた以上に普通に楽しめました。ノートだから足を引っ張るといった感覚はなかったですね」と語る。一部では「普段SLIマシンでゲームをしているので、やはり性能不足は感じます。ただ、普通の視点でいえば、これはこれで“アリ”でしょう」など、厳しめのコメントも聞かれた。
ちなみに、最後のゲームは、アキバを取材する媒体の記者どうしで、特別対抗特別イベントが行われた。ゲームといえばドラクエIの時代で止まっている筆者も、ITmedia代表として参加することに。
初めて3Dゲームをプレイしたが、何度か敵を倒し、操作に慣れてきた終盤には、向こうからの銃弾を避けるような動作もこなせるようにもなった。コメントを求めたユーザーと同じく、マシンスペックの不足は感じず、ゲームに集中できたのが大きい。
その結果、優勝者が150点台のスコアを出すなか8点をゲットし、記者の中では断トツの最下位に終わった。ITmediaの代表として、+D Gamesから苦情が来そうな惨敗である。
関連記事
「GeForce 8800 GT」で、メーカー間の価格競争に発展!?
NVIDIAの新型GPU「GeForce 8800 GT」を搭載したグラフィックスカードが大ヒット。ただし、リファレンスデザインなのにメーカー間での価格差が激しい。なぜ?大型店舗もパーツショップも、バージョンアップ中のアキバ
10月のアキバは、フェイスグループと石丸電気グループが大幅リニューアル。PCパーツでは、X38マザーが出回るようになり、ハイエンドユーザーの注目を集めている。(「家電街としてのアキバを再び」――南秋葉原で石丸電気が生まれ変わる
10月26日に、改装工事をしていた石丸電気グループが全店オープンを果たした。アキバ南部に点在する赤い看板には、家電ショップとしての自負が込められている。「突貫です。眠いっす」――フェイスがノンストップでリニューアル
アキバのフェイス3店舗が20日からリニューアルオープン。1週間前に指令を受けたスタッフたちは通常業務をこなしつつ、大幅改装に取り組んでいた。目の下のクマがやばい。真の“X38環境”は年末商戦で完成する?
X38マザーが解禁となり、ギガバイトとASUSTeKから計2モデル登場。ただし、最新チップセットの性能を堪能できる環境が整うのは、もう少し寒くなってからのようだ。「PC-Successの亡霊なんて相手になりませんよ」――フェイスアキバ店オープン
アキバにフェイスの新店舗が誕生。過去に入店していたサクセスの“いわく”を払拭するような元気のあるショップをめざす。同業者も(なんとなく)暖かい目で見守っているようだ。X38マザーの“解禁Xデー”は10月10日という噂
まもなくの登場が噂されるX38マザーは、実はすでにアキバ各ショップに入っていた。“ギュンギュン冷えるわよ”のイラストが描かれた「超高性能」なCPUクーラーにも注目。DDR2でIntel X38 Expressを使う──GIGABYTE「GA-X38-DQ6」
DDR2メモリとIntel X38 Expressチップセットの組み合わせは、DDR3に負けないパフォーマンスを発揮できるのだろうか?「Phenomが年内に間に合わなかったら丸坊主に」兄貴が宣言
今週末、AMDがAthlon 64 X2 Black Editionの店頭イベントを決行。また、同じ時間にNVIDIAはSLIマシンを使ったゲーム大会を開催していた。一般層からサーバ好きのマニアまで――アキバの“受け皿”拡大中
ソフマップ秋葉原本館がオープンし、一般層の受け皿がさらに広がる一方で、サーバOSの深夜販売が行われ、Opteronマシンが脚光を浴びる、そんな9月のアキバ。(「Windows Home Server」の深夜販売に、人は集まるのか?
家庭向けサーバOS「Windows Home Server」が29日0時から販売される。不参加のショップからは「まさかやるとは……」と囁かれる状況だが、参加店舗はノリノリで準備を進めている。果たして人は集まるのだろうか?ゲーマーズマウスの覇権争いが激化する予感
デザインを大幅に変えたロジクールのゲーマーズマウス「G9」が登場。発売日未定のMS「サイドワインダー マウス」との覇権争いが注目されている。「11月まで待てない」と、現行Opteronを買いに走る人たち
「Quad-Core Opteron」搭載マシンのデモ展示で思わぬ波及効果があった模様。瞬殺された「PV4」は、店員さんからの評判がかなり微妙だ。アキバ史に残るか? 2007年初秋――大型店舗の「明」と「暗」
9月6日にソフマップタウンの軸となる「ソフマップ秋葉原本館」がオープンし、台風9号の影響にも関わらず長蛇の列ができた。一方、ザ・コンと石丸電気各店は閉店セールを実施している。「アキバは圧縮し、さらに密度を上げていく」――ソフマップが描く未来像
いよいよソフマップタウンを始動させるソフマップに、アキバの展望を語ってもらった。その目には、より凝縮されたコアな街の姿が映っている。総合家電店舗は“ネオ”アキバの否定から──「ソフマップ秋葉原本館」まもなくオープン
開店直前のソフマップ秋葉原本館が、関係者に“一足早く”公開された。どうも、新しい“アキバの顔”は“アキバらしくない”店作りを目指しているようだ。ターニングポイントに立った電気街
8月のアキバは、LAOXザ・コンピュータ館の閉店とソフマップタウンの始動が注目を集め、電気街の大きな変化を予感させた。自作PC関連ではHDコンテンツを扱うパーツが好調。ヨドバシでダメージ、ソフマップでとどめ?――ザ・コン閉店で広がる周辺ショップの不安
秋葉原のLAOXザ・コンピュータ館が9月30日に閉店する。周辺の店舗からはさまざまな影響を心配する声が聞かれたが、数区画離れた店では「関係ないっス」とのコメントも。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.