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Macを新時代へといざなうOS――「Leopard」が変える未来林信行の「Leopard」に続く道 第7回(2/4 ページ)

Mac OS X 10.5 “Leopard”は、Tigerに300の新機能を追加しただけのOSではない。今回はSpotlightを中心とした検索ユーザーインタフェースについて見ていこう。

ほかのデスクトップ検索とどう違う?

Spotlightはアプリケーションランチャにもなる。saと打ち込めば、トップヒットにSafariと表示され、この状態でreturnキーを押すとSafariが起動できる

 さて、ここまで読んできたWindowsユーザーは、「同じことならGoogle DesktopやMSN Desktop SearchをインストールしたWindowsでもできるよ」と指摘するかもしれない。確かにその通りだ。

 Windows Media PlayerやWinAmpで音楽を聞いたり、携帯電話でもフルブラウザを使ってPC用のWebページを閲覧できるように、上記のデストップ検索アプリケーションを使えば、できることはできる。

 しかしLeopardは、その先の使い勝手が本当によく考えられている。例えば、検索結果は即時メニューとして表示されるが、上の方には「すべてを表示」「トップヒット」「定義」といった項目がコンパクトにまとめられている。

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 この「すべてを表示」というのは、該当項目の一覧を別ウィンドウで表示するというものだ。続く「トップヒット」はGoogle検索で言うところの“I'm Feeling Lucky”に相当するもので、おそらくユーザーはこれを探しているのだろう、という筆頭候補を指す。Spotlight検索直後は、このトップヒットが選択状態なので、そのままreturnキーを押すとトップヒットが開くことになる。

 検索文字列が少なく、該当候補がたくさんある場合は、アプリケーションがトップヒットとして候補に挙がるようになっている。これにより、Spotlightにわずか数文字を打ち込むだけで、手早くアプリケーションを起動できる。例えば、あなたがWebブラウザのSafariを起動したければ、Safariの最初の数文字、「sa」を打ち込むと、自動的にトップヒットに「Safari」のアイコンが表示されるので、それを確認してからreturnキーを押せばSafariが起動する。そう、Spotlightはアプリケーションランチャにもなるのだ。

各分類の項目がコンパクトにまとめられたSpotlight検索の結果一覧

 その下には「システム環境設定」「書類」「フォルダ」「(電子メール)メッセージ」「イメージ」「PDF書類」「Webページ(の履歴)」「ムービー」「プレゼンテーション」といった分類ごとに該当項目が表示されるが、上から下まで該当項目すべてを一覧表示するのではなく、各分類ごとのトップヒット(最も確率が高い項目)を2~3件ずつ表示するだけにとどめ、その代わりすべての分類の該当項目を見渡せるようにしている。

 まずこの表示方法が秀逸だし、実際にトップヒットとして選ばれる項目の的確さも秀逸だ。Mac OS Xは、文章を解析(形態素解析)するエンジンを持っており、それを用いた書類の中身の関連マップが分かる索引を作り続けている(このため技術的には、内容が類似した書類、というような“あいまい検索”も行える)。探している項目がトップヒットのメニューに出てこない場合は、メニューの一番上にある「すべてを表示」を選んで、別ウィンドウに全該当項目を一覧表示させることもできる。

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