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プロの環境がより身近に――「Aperture 2」説明会新エンジンで画質向上

2月12日から販売が始まっているアップルのデジタル画像管理ソフトウェア「Aperture 2」について、同社プロダクトマネージャーの吉原周路氏がその特徴や新機能を語った。

 Aperture 2は、デジタル写真の画像処理および管理機能を備えた写真家向けRAW現像ソフトだ。2005年10月に登場した「Aperture」は、プロフェッショナルユーザーを対象にしたポストプロダクションツールとしてリリースされたが、Intel Macに対応した「Aperture 1.1」、オフラインでの高解像度プレビューが可能になった「Aperture 1.5」を経て、今回の2.0ではターゲットをアマチュア層まで広げ、Mac標準のiPhotoからステップアップしたユーザーも扱いやすいユーザーインタフェースに改良されている。また、価格も前バージョンの3万4000円から2万3800円(アップグレード版は1万1800円)に引き下げられた。

 Aperture 2.0の新機能は100を超えるが、主要なアップデートは処理速度の高速化、ユーザーインタフェースの改良、新しいRAWエンジン(2.0)による画質の向上と画像処理の拡充に大別できる。

写真を扱う作業全体の生産性を向上

 Aperture 2.0では、写真の取り込みスピードや画像補正作業などのシステムに依存する処理速度だけでなく、プレビューや検索、カスタマイズ性の高いショートカットの作成など、ワークフロー全体の効率を向上させる“高速化”が強調されている。

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 例えば、今回新たに実装されたクイックプレビューモードによって、RAWデータのデコードを待つことなく写真の閲覧が可能になり、写真を取り込んですぐに画像の比較などを行えるようになった。また、検索エンジンを改良し、検索スピードを10倍以上に高速化した(同社によれば50万枚の画像からならば1~2秒で探し出せるという)ほか、メタデータからだけでなく、過去に実行した画像調整の項目から写真を探すなど、検索範囲も拡大している。

 作業効率の向上という点では、バージョン書き出しなどのバックグラウンド化、柔軟なキーカスタマイズが行えるコマンドエディタ、スタジオカメラマンから要望の高かったテザー(カメラコントロール)機能の実装などが目を引く(ただし、テザー機能は現状ではニコンとキヤノンのカメラの一部に限定されている)。

RAWデータのデコード表示とクイックプレビューモードはPキーで切り替えられる(写真=左)。Mac OS XのSpotlightと同じテクノロジーを採用したApertureの検索エンジン。2.0では処理速度の向上だけでなく、過去に行った調整項目まで検索範囲を拡大した。モノクロにした写真だけを抽出する、といったことも簡単にできる(写真=中央)。Apertureのコマンドはすべて、コマンドエディタでショートカットを作成できる(写真=右)

より操作が速いユーザーインタフェースへ

 ユーザーインタフェースの改良もトピックの1つだ。まず、ライブラリ内の各プロジェクトをタイル表示し、その上でマウスカーソルを動かすと写真を順次閲覧できる、iPhotoでおなじみのプロジェクトビューが追加された。これはApertureユーザーから要望があった点だという。

 また、全体の画面構成が大きく変更されたわけではないものの、より速く操作できるように、プロジェクト、メタデータ、調整コントロールのインスペクタを統合し、Wキーで自由に移動できるようになった。iPhotoユーザーを考慮し、iPhotoのデータを使いたい場合にすぐに参照して取り込めるiPhotoブラウザも加わっている。

 Aperture 2.0では、作業環境に応じて画面を最適な表示にカスタマイズできるのも特徴だ。ディスプレイの解像度によっては、インスペクタやサムネイルがすべて表示されていると写真が見づらくなるが、これに対応するため、クリック操作で切り替わるビューモードを柔軟に設定できるようになった。また、フルスクリーンモードでインスペクタのHUD(ヘッドアップディスプレイ)表示が可能になり、ノートPCなどの環境でもディスプレイの表示領域を広く活用できる。

ライブラリの「すべてのプロジェクト」表示では、各プロジェクトがタイル状に並ぶ。タイルをマウスでなぞるとプロジェクト内の写真を参照できるiPhotoでおなじみのUIだ。アイコンとして表示される写真は「キー写真を設定」で切り替えられる(画面=左)。写真のダブルクリックでトグル式に表示モードが切り替わる。環境設定のアピアランスから「写真をダブルクリック」の操作を「フルスクリーン表示を実行/解除」に変えることで、フルスクリーン表示に切り替えることもできる(画面=中央)。新搭載のHUDによりフルスクリーン表示でもたいていの機能は利用できるようになった(画面=右)

RAW現像エンジンを大幅に強化

 Aperture 2の新現像エンジンでは、細かく画像調整をする際に黄色と青、暗部と明部のような相反する要素をできるだけ破たんなく「インテリジェントに」(吉原氏)調整する機能が増えたという。

 彩度を上げる「カラー・バイブランス」では、色の飽和や肌の色への影響をできるだけ抑えながら、写真を鮮やかな印象にできるほか、「ハイライト復旧」でも同様に、適正な露出の部分を暗くせずに、明るすぎる部分を補正してくれる。また、微妙に被写体のピントを外したような写真でも、全体のコントラストを変えることなく、被写体の解像感を上げることできる。このほか、レンズ周辺部の光量落ちを再現、または除去する「ビネットコントロール」や、画像の簡単な修正を行えるレタッチブラシなどを備えた。

彩度を上げて空の色を鮮やかに調整しても、肌の色が破たんしていない
シューズの解像感を上げても画像全体への影響は少ない
ゴミを除去する機能は従来も存在したが、Aperture 2.0ではブラシ(ストローク、エッジ)の特徴にそったレタッチが可能になった。オプションで「エッジを抽出」にチェックしておけばレタッチ中に検出したエッジを保護するので、ブラシが多少はみ出してもやり直さずにすむ

 このほか、.Macウェブギャラリーとの連携やiPhone、iPod、Apple TVとの同期機能、iWork、iLife、Mailからのデータ呼び出し、オリジナル写真集の作成機能など、より一般ユーザー向け機能も搭載している。

 「画像の調整や簡単なレタッチなど、写真を作るということに関しては、このAperture 2.0でほとんどのことをカバーできるはずです。新設計のエンジンによって、ダイナミックレンジやディテールなど、調整前の基本の画質がかつてないほど向上しました。すべての機能を利用できる30日間のフリートライアル版もあるので、ぜひ試してみてください」(同社)。

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