モバイルインターネット革命が始まる──Centrino Atom搭載MIDが展示:上海だけじゃない(1/2 ページ)
IDF上海の開幕に合わせて、ここ日本でもCentrino Atomを発表、同システムを備えた超小型デバイスが展示された。
インテルの役割は夢の話題を提供すること
4月2日に開催された発表会では、インテルの吉田和正代表取締役共同社長が登壇し、2008年で40周年を迎える同社の歩みを振り返り、「インテルは過去40年間、技術革新をドライブしてきた。それは半導体の進化であり、コンピューティングの進化であり、今ではネットワークの進化である。Centrino Atomの発表を非常に明るい話題だと思っている」と述べた。
そして日本で拡大を続けるインターネット環境に触れ、「今回発表する製品は、高いモバイルPC性能を持ち、PCとインターネットとの互換性が非常に高い。それをワイヤレス技術と融合することで、新しい次元のモバイルインターネット端末がこれから世に出てくる。2008年は大変記念すべき年になってくる」と述べ、「それを支えるプラットフォームがCentrino Atom プロセッサー・テクノロジーだ」とした。
「このCentrino Atomを搭載したモバイル端末(Mobile Internet Device)を使うことで、PCで体験できたインターネットの楽しさを身につけて持ち運べるようになり、新しいモバイルの世界が広がるのではないか」と述べ、「MIDがグローバルで登場しようとしている。それらがインターネットを基軸にした新しい利用形態を生み出し、インターネット自体を進化させる。この新しい世界を、エコシステムのパートナーとともに築き上げていきたい」とまとめた。この後、通信事業者各社のコメントがあったが、詳細はこちらの記事を参照してほしい。
Atomは環境に優しいエコCPU
続いて、インテルの土岐英秋技術本部長がCentrino Atomの技術面を解説。「Atomは4700万のトランジスタを搭載したインテル最小のCPUであり、最新の45ナノメートルプロセス製造ルールを採用している。3ワット以下の市場では最速のCPUでありながら、消費電力はTDPで0.65~2.4ワットとインテルで最も低消費電力のCPUである」と話した。また「これまでのCPUは、1%の性能向上に対し約3%消費電力が増加してしまったが、Atomは設計段階で1%の性能向上に対し、消費電力を1%に抑えており、環境に優しいエコCPUである」と語った。
一方、チップセットのPoulsbo(開発コード名)は「インテル システム・コントローラー・ハブ」と呼ばれ、「新しく設計されたチップセットで、ノースブリッジやサウスブリッジ、グラフィックス機能を1チップにまとめ、I/O面ではハンドヘルド用I/Oも統合している。加えて、1080iのHDビデオやHDオーディオの再生も可能と非常に高性能だ」と述べ、「鉛とハロゲンフリーなので環境にも優しい」とした。
MIDの必須要件としては、「ポケットに入る程度のサイズであること、CPUがAtom、チップセットのシステム・コントローラー・ハブに加え、無線LANはインテル製だけでなくサードパーティ製でもかまわない」とした。また、「CPUとチップセットあわせてアイドル時の消費電力は1ワット程度、12Whのバッテリーで4時間以上の駆動をイメージしている」とのことだ。
Atomのラインアップ | |||||
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プロセッサ・ナンバー | Z540 | Z530 | Z520 | Z510 | Z500 |
動作周波数 | 1.86GHz | 1.6GHz | 1.33GHz | 1.1GHz | 800MHz |
FSB | 533MHz | 400MHz | |||
2次キャッシュ | 512Kバイト | ||||
HTテクノロジ | ○ | - | |||
TDP | 2.4ワット | 2ワット | 0.65ワット | ||
平均消費電力 | 220ミリワット | 160ミリワット | |||
アイドル時の消費電力 | 100ミリワット | 80ミリワット | |||
ダイサイズ | 7.8×3.1ミリ | ||||
CPU+チップセットのキット価格 | 1万6110円 | 9570円 | 6550円 | 4530円(1000個時) |
次のページでは会場に展示されたMIDを紹介する。
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