USER'S SIDEが閉店へ――在庫を40~60%引きで販売中:アキバ老舗ショップがまた1つ…
USER'S SIDE 秋葉原店が4月15日をもって閉店する。USER'S SIDE創業時から同店を支えてきた小林氏がその心境を語った。
アキバの老舗ショップ、USER'S SIDEが2008年4月15日をもって閉店する。今後はWeb通販と法人営業に集約し、前者についてはオリジナルBTOマシンや関連製品の販売を継続していく。サポート体制の変更はなく、従来通りサポートセンターで対応するほか、法人向けに専用の相談コーナーを設け、営業活動を行っていくという。
同社のサイトに掲載された「USER'S SIDE 秋葉原店 閉店のお知らせ」には、4月3日から4月15日まで感謝セールを行うと記載されているが、4月2日の時点ですでにUSER'S SIDE 秋葉原店に並ぶ商品は特価で販売されており、閉店を知った客が店内を行き交っていた。また、Webを通じてデモマシンのオークションも実施する予定という。
同店を訪れた客の1人は「(閉店は)びっくりしました。特価で販売していると聞いて、会社が終わってすぐかけつけたのですが、それにしても、安いですよね」と、閉店の驚きとともに、特価品の数々に目を奪われている様子。ロジクールの「Cordless Desktop Wave」を通常販売価格の40%引きで購入していた。
今回の閉店に関して、1993年の創業時からUSER'S SIDEを支えてきた小林 敏博氏は、「もうこの業界全体にはあいそが尽きたね」とその心境を語った。同氏は「利益なき繁忙を繰り返す」(同氏)業界の状況に対して3年以上前から閉店を考えていたが、今回閉店を決めたきっかけの1つに、2008年の1月末の高速電脳の閉店を挙げた。
「あの件でDOS/Vという1つの時代が終わったと実感したね。でも、店(USER'S SIDE 秋葉原店)は閉めることになったけど、Web通販は続けていくから。これからは八方美人はやめて、本当に自分たちが好きなものを売っていきたい。さらに専門性を特化させて、ほかがやらないことをやっていく。まあ、以前に戻るようなイメージかな。これでもずいぶん丸くなってしまっていたから」(同氏)と今後の展開を語る。
かつて同氏は「自作PCに未来はない」と断じ、「5年どころか3年後も(この業界は)危うい」と警鐘を鳴らしていたが、そのわずか1年後には、同店を含む2つの有名老舗ショップが閉店したことになる。“アキバらしさ”の一端を担ってきたPCパーツ業界の縮小傾向はさらに加速していくのだろうか。
小林氏は「縮小傾向は確かだけど、大手(のショップ)はこの状況を真剣に考えて、さまざまな対策を打とうとしているみたいだね。これから少しは変わる可能性だってあるし、まだワンチャンスくらいの猶予はあると思う。ウチだってもう店舗をやらないと言っているわけじゃない。もうアキバという土地に魅力は感じないけど、ほかの場所で店を出すことだって考えられるしね」とコメントした。
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