連休ですが、取り急ぎ「3DMark Vantage」を試してみました:イマドキのイタモノ(2/2 ページ)
グラフィックスカードのベンチマークテストといえば、「3DMark」シリーズは外せない。その最新版が大型連休で日本が浮かれている最中に公開された。いやー、迷惑な話だ(極私的に)。
一新されたGraphics TestsとCPU TestsはDirectX 10が必須
3DMark Vantageには、2種類のGraphics Testsと2種類のCPU Testsが収録されるほか、Feature Testsとして「Texture fill rate test」、「Color fill rate test」、「POM Shader test」、「Cloth simulation test」、「Particle simulation test」、「Shader math test」が用意される。
Graphics TestsもCPU Testsもそれぞれ新しいシナリオが用意され、テスト内容が一新されている。3DMark Vantageのホワイトペーパーによると、Graphics Test 1として用意された「Jane Nash」では、「Physical GPU simulations」と「Multiple dynamic lights」、 「Complex surface lighting models」が導入され、Graphices Test 2の「Calico」では、「Parallax Occlusion Mapping」、「True Impostors」 、「Volumetric fog」が使われていると説明されている。
フレームレートは10fps台とかなり重い
ベンチマークテストの総合結果となる「3DMarks」の値は、3DMark06と同じように、Graphics TestsとCPU Testsの結果を決められた数式にしたがって算出されるが、それに加えて、3DMark VantageではPresetsで用意された設定条件を使ったときだけ、3DMarksが表示される。ユーザーが解像度やフィルタリング条件を変更した場合は、GraphicsとCPUそれぞれの個別結果しかでてこない。
3DMark Vantageで測定した結果は、3DMark06とどれだけ異なるのか、クアッドコアのPhenom(エンジニアリングサンプルを2.6GHzで動かした)とAMD 790FXマザー、そして、GeForce 9800 GTXの組み合わせで測定した。設定条件は、3DMark Vantageに用意された各Preset設定と、それぞれの解像度とフィルタリング設定を合わせた3DMark06の測定結果を並べている。
また、参考データとして、解像度とフィルタリング設定を1600×1200ドット、non Multisampleにしたまま、レンダリングクオリティ設定を「Entry」「Performance」「High」「Extreme」に変更した場合の値の変化も調べてみた。
NVIDIAは、3DMark Vantageに最適化したForceWare 175.12のβ版を評価用として配布している。これと、現在公式バージョンとなっているForceWare 174.74のそれぞれで測定したデータも紹介しておこう。数値の上では、ローエンドマシンを想定した“Entry”モード以外でForceWare 175.15β版を適用すると測定結果は向上している。
なお、Graphics Testsの結果はフレームレートなので、ベンチマークテストの「重さ」がそれなりに把握できる。いずれも10fps台とかなり重いことが分かるだろう。先にあげた構成で3DMark Vantageを“Extreme”モードで2つのGraphics Testsと2つのCPU Testsを動かした場合、測定にかかる時間はおよそ9分であった。
3DMark | Test | Entry | Performance | High | Extreme |
---|---|---|---|---|---|
3DMark Vantage | 3DMarks | 16218 | 5729 | 3560 | 2105 |
Graphics Test 1“Jane Nash” | 58.68 | 14.47 | 9.39 | 6.13 | |
Graphics Test 2“Calico” | 75.66 | 15.64 | 9.49 | 5.73 | |
AI Test (CPU Test 1) | 1113.80 | 1116.87 | 1110.00 | 1117.48 | |
Physics Test (CPU Test 2) | 13.58 | 14.01 | 14.03 | 13.90 | |
3DMark06 | 3DMarks | 12941 | 12484 | 10119 | 7692 |
SM2.0 Graphics Test 1:Return to Proxycon | 42.52 | 42.37 | 38.93 | 29.66 | |
SM2.0 Graphics Test 2:Firefly Forest | 42.64 | 42.54 | 36.80 | 26.74 | |
HDR/SM3.0 Graphics Test 1:Canyon Flight | 67.60 | 56.87 | 37.42 | 28.31 | |
HDR/SM3.0 Graphics Test 2:Deep Freeze | 54.36 | 53.76 | 36.69 | 23.63 | |
CPU Test 1 | 1.18 | 1.23 | 1.19 | 1.23 | |
CPU Test 2 | 1.77 | 1.81 | 1.80 | 1.76 |
3DMark | Test | 1600×1200ドット,Entry | 1600×1200ドット、Performance | 1600×1200ドット、High |
---|---|---|---|---|
3DMark Vantage | Graphics Test 1“Jane Nash” | 10.26 | 9.56 | 8.81 |
Graphics Test 2“Calico” | 10.45 | 9.84 | 8.61 | |
AI Test (CPU Test 1) | 1120.15 | 1118.83 | 1120.65 | |
Physics Test (CPU Test 2) | 13.86 | 14.10 | 14.13 |
3DMark&ForceWare | Entry | Performance | High | Extreme |
---|---|---|---|---|
3DMark Vantage FW174.74 | 16309 | 5698 | 3544 | 2035 |
3DMark Vantage FW175.15β | 16218 | 5729 | 3560 | 2105 |
関連記事
- 自作 D・I・Y(Doooon to Itte miYo!)
止まらない!NVIDIAラッシュ──今度は単体GPUのハイエンド「GeForce 9800 GTX」をぶん回せ
2008年になってAMDとNVIDIAは競うようにハイエンド新製品を投入している。年度の変わり目となる4月に、一連の真打となる(といいなあ)単体ハイエンドGPUがNVIDIAから登場した。「1×4」か「2×2」か──ようやく実現した「4-GPU CrossFireX」を検証する
「発表先行、実物後送」はATIおなじみの「Radeon進行」だが、「4-GPUでCrossFireX」も、ようやくドライバが公開。待たされたかいは、あったのかなかったのか?NVIDIAはやっぱりダブルデッカー──GeForce 9800 GX2は1枚で2枚分おいしいのか
NVIDIAのデュアルGPUといえば、GeForce 7900/7950 “GX2”の「2階建て」構造が印象的。NVIDIAのデュアルGPUは世代が変わっても伝統を重んじたようだ。ライバルは「8800 GT」──「GeForce 9600 GT」で新世代ミドルレンジの実力を知る
タイトルを見て「そりゃ無理があるでしょう」と思いきや、なかなかどうして、いい勝負を見せてくれちゃうのだ。インテルの次世代最高級プラットフォーム「Skulltrail」で「8コア」の破壊力を知る
インテルの次世代最高級プラットフォーム「Skulltrail」で「8コア」の破壊力を知る「Radeon HD 3870 X2」は1枚の価格で2個分の性能を発揮できるか
Radeon HD 3000シリーズの最上位ラインアップとなる「Radeon HD 3870 X2」がAMD(ATI Technologies)から発表された。“鬼門”のデュアルGPUはユーザーに受け入れられるだろうか。3-way NVIDIA SLIを「nForce 780i SLI」と「nForce 680i SLI」で比べる
すでに、3-way NVIDIA SLIの性能データがいろいろと報道されているが、「3つのPCI Express x16」と「2つのPCI Express+PCI Express x4」の違いはどの程度なのか。「nForce 200」の影響とともに検証する。“G92”世代「GeForce 8800 GTS 512M」の微妙な立ち位置を探る
「価格は半分なれど性能差はわずか」という衝撃のGPU“GeForce 8800 GT”の上位モデルが登場する。昔から微妙な“GTS”の意味付けはどう変わるだろうか。これはバランスのいい“ハイエンド”GPU──「Radeon HD 3870」ゲームベンチレビュー
RV670と呼ばれてきたAMDの新世代GPUが登場した。先に登場したGeForce 8800 GTと同じく、絶対性能ではなく費用対効果でユーザーに訴求するモデルだが、その狙いはうまくいったのだろうか。これぞ真の“ド級”GPU──GeForce 8800 GTで「Crysis」ベンチマークを動かす
「ド級」「超ド級」と聞くと、強烈にパワフルな最強GPUを連想するかもしれないが、それは「ド級=ドレッドノート級」本来の意味でない。“G92”は、まさに「ド級」なGPUなのだ。誰がためのデュアルGPUカード──GECUBE「GC-D26XT2-F5 Gemini 3」
登場したときはとっても注目されるのに意外なほどユーザーが少ないデュアルGPUカード。Gemini 3はそのジンクスを打ち破ることができるだろうか。「Radeon HD 2900 XT」を「GeForce 8800」シリーズと比較する
Radeonシリーズで初めて統合型シェーダユニットを採用した新世代GPUはハイエンドモデルで「320個」という膨大なユニットを実装する。その新世代アーキテクチャのパフォーマンスを速報する。GeForce 8800 UltraとGeForce 8800 GTXを「特別なG-Tune」で比較する
NVIDIAの最上位GPUが「急遽」登場した。実売価格10万円を軽く超えようという“Ultra”なGPUはパフォーマンスも“Ultra”なのだろうか。GeForce 8800 GTXはQuad SLIを超えられるのか
PC用GPUとして初めて統合型シェーダユニットを搭載した「まだ見ぬDirect X 10世代」のパフォーマンスを「エクストリームなハイデフ」環境で検証する。「エクストリームなハイデフ」環境で知るQuad SLIの底力
通常の環境ではその実力をなかなか理解してもらえないQuad SLI。ならば、将来を見据えた「超高解像度」ゲーム環境でその強烈なパワーは本当に発揮されるのだろうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.