クアッドコア映像エンジンで地デジ機能を強化――東芝「Qosmio/dynabook」新モデル:“第3のプロセッサ”搭載
東芝が発表したQosmioの新モデルは、Cell技術を踏襲する新開発の映像エンジン「SpursEngine」を搭載し、地デジ機能を大幅に強化してきた。
東芝は6月23日、Qosmio/dynabookシリーズの新モデルを発表した。ラインアップは、地デジチューナーを搭載する「Qosmio G50」「Qosmio F50」と、新機種「dynabook Qosmio FX」を含む3シリーズ4モデル。同社は2008年夏モデルとして、4月にdynabook TX/AX/CXとQosmio F40をリリースしているが、フラッグシップモデル(Qosmio G40の後継)投入は見送っており、これでようやく夏の布陣が完成したことになる。
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東芝ノートPCのフラッグシップに位置づけられるQosmio G50は、搭載CPUやHDD容量の違いで「G50/98G」と「G50/97G」の2モデルが用意される。現時点ではCPUが「次世代Core 2 Duo」、チップセットが「インテルの次世代チップセット」と記載されているのみで、詳細な情報は明らかにされていないが、G50/98Gの2次キャッシュ容量は6Mバイト、G50/97Gは3Mバイトとなっている。なお、いずれもFSBは1066MHzだ。
アスペクト比16:9の18.4インチワイド液晶(1920×1080ドット)を搭載したのも見どころの1つ。ハイビジョン放送などを全画面表示した際でも上下の黒帯が出ず、画面をフルに使えるのがポイントだ。また、グラフィックス機能にはNVIDIAの最新GPU「GeForce 9600M GT」を採用している。価格はG50/98Gが33万円台半ば、G50/97Gが29万円台半ばで7月下旬から販売される見込み。
一方、15.4インチワイド液晶を搭載する「Qosmio F50」は、「F50/88G」の1モデルのみがラインアップされる。こちらもCPUやチップセットなどの基本スペックの詳細は明らかにされておらず、グラフィックス機能はGeForce 9600M GTに強化されている。価格は25万円台半ばで、発売は7月下旬を予定。なお、地デジチューナーを2基搭載するQosmio G50/G40は、後述の新開発映像エンジン「SpursEngine」を搭載し、地デジ機能を大幅に強化したのが最大の特徴になる。
新シリーズのdynabook Qosmio FXは「FX/77G」の1モデルのみ。こちらは地デジチューナーや「SpursEngine」を搭載しないため、“dynabookシリーズ”に位置づけられているが、資料には「インテルの次世代プラットフォーム」を採用とあり、基本スペックはQosmioシリーズとほぼ同等になると思われる。グラフィックスも同様にGeForce 9600M GTを採用している。価格は20万円台半ばになる見込み。
クアッドコア映像エンジン「SpursEngine」で地デジ機能を大幅強化
今回のモデルチェンジで最も注目されるのは、東芝が開発した映像エンジン「SpursEngine」の採用だ。CPUとGPUに並ぶ“PC第3のプロセッサ”として、映像に関する処理を専用に受け持つことにより、映像の視聴/録画や編集といった作業をさらに快適にしたという。
この映像エンジンにより、ハイビジョン放送の視聴/録画機能も大幅に強化され、録画時にH.264(10Mbps/8Mbps/5.5Mbps/2.0Mbps)へリアルタイム圧縮する機能や、高速トランスコード機能、サムネイル表示された番組出演者の顔から見たいシーンを見つける「顔 de ナビ」、DVDタイトルの映像をフルHD解像度にアップコンバートして再生する機能など、数々の新機能が追加されている。ユニークなところでは、液晶上部に搭載されたカメラに向けて手を動かすと、そのジェスチャーによって動画の再生/停止などが行える「ハンドジェスチャーリモコン」機能もある。
Qosmio G50の概要(その1) | ||||||||
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シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
Qosmio G50 | G50/98G | 2スピンドル | フルモデルチェンジ | 次世代Intel Core 2 Duo | 2GB(1GB×2) | 500GB(250GB×2) | Windows Vista Home Premium(SP1) | 33万円台半ば |
G50/97G | 2スピンドル | フルモデルチェンジ | 次世代Intel Core 2 Duo | 2GB(1GB×2) | 250GB | Windows Vista Home Premium(SP1) | 29万円台半ば | |
Qosmio G50の概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
Qosmio G50 | G50/98G | 18.4インチワイド | 1920×1080ドット | 次世代Intelチップセット | DVDスーパーマルチ | GeForce 9600M GT | 地デジ×2 | 4.9キロ |
G50/97G | 18.4インチワイド | 1920×1080ドット | 次世代Intelチップセット | DVDスーパーマルチ | GeForce 9600M GT | 地デジ×2 | 4.8キロ |
Qosmio F50の概要(その1) | ||||||||
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シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
Qosmio F50 | F50/88G | 2スピンドル | フルモデルチェンジ | 次世代Intel Core 2 Duo | 2GB(1GB×2) | 250GB | Windows Vista Home Premium(SP1) | 25万円台半ば |
Qosmio F50の概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
Qosmio F50 | F50/88G | 15.4インチワイド | 1280×800ドット | 次世代Intelチップセット | DVDスーパーマルチ | GeForce 9600M GT | 地デジ×2 | 3.4キロ |
dynabook Qosmio FXの概要(その1) | ||||||||
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シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
dynabook Qosmio FX | FX/77G | 2スピンドル | フルモデルチェンジ | 次世代Intel Core 2 Duo | 2GB(1GB×2) | 200GB | Windows Vista Home Premium(SP1) | 20万円台半ば |
dynabook Qosmio FXの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
dynabook Qosmio FX | FX/77G | 15.4インチワイド | 1280×800ドット | 次世代Intelチップセット | DVDスーパーマルチ | GeForce 9600M GT | - | 3.3キロ |
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