08年版NECの定番ノートPC「LaVie L LL570/RG」を眺める:スタンダードPCでもBD搭載
NECのメインノートPC「LaVie L スタンダードタイプ」の中で、フラッグシップとなる「LL570/RG」をじっくりと観察した。
デザインコンセプトは「Neutral+soft」
NECが8月19日に発表した「LaVie L」は、同社のノートPCで最も人気があるシリーズだ。インテルプラットフォームを採用した上位の「LaVie L アドバンストタイプ」と、AMDプラットフォーム採用の「LaVie L スタンダードタイプ」でラインアップは構成され、その中でもLaVie L スタンダードタイプは主力となるモデルで、いわば定番ノートPCとして同社の“顔”ともいえる存在になっている。今回は、LaVie L スタンダードタイプの最上位モデル「LaVie L LL570/RG」の試作機を見ていこう。
この秋冬モデルでフルモデルチェンジを果たしたLaVie Lスタンダードタイプ(上位4モデル)だが、メールやインターネット、DVD-Videoの鑑賞、デジカメ写真の保存や整理といったPCのライトユーザー層をターゲットにしている製品だけに、デザインはシンプルで万人受けするカラーが採用されている。ミドルレンジのLaVie L LL550/RGの3モデルはホワイト、ピンク、ブラックと3色のカラーバリエーションを用意しているが、LL570/RGはホワイトのみの展開だ。また、ボディカラーに合わせたUSB接続のレーザーミニマウスが付属するのも本機からのトピックだ。ちなみに、ボディサイズは360(幅)×262.5(奥行き)×39.5(厚さ)ミリ、重量は約3キロある。
AMDのPumaプラットフォームを採用してパフォーマンスを底上げ
本機のポイントは、AMDの最新モバイルプラットフォーム「Puma」を取り入れ、MPEG-4 AVC/H.264の再生支援機能UVD(Unified Video Decoder)を持つGPU「ATI Radeon HD 3200」を統合したAMD M780Gチップセットを採用したことだ。外付けのGPUは搭載していないが、ATI Avivo HDテクノロジーに対応しており、CPUの負荷を抑えて1080pのHD動画を再生することが可能だ。フラッグシップとなるLL570/RGはBD-ROMドライブを標準で備え、高画質なBlu-ray Discの再生が行えるようになっている。加えて、HDMI端子を左側面に実装しているので、ケーブル1本で大画面テレビにBlu-ray DiscやDVD-Videoの映像を表示して楽しめるのも見逃せない。
搭載する15.4型ワイド光沢液晶ディスプレイは1280×800ドット表示に対応し、NTSC比で約72%の色度域をカバーするスーパーシャインビューEX液晶を採用して見栄えのある画面を提供する。より高輝度なスーパーシャインビューEX2液晶や、色度域の広いスーパーシャインビューEX3液晶でないのは物足りないが、スタンダードPCであることを考えれば妥当なところだろう。
拡張端子は、4ポートのUSB 2.0(うち1基はパワーオフUSB充電機能付き)、ExpressCardスロット(ExpressCard/54対応)、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティック PRO-HG Duo/xDピクチャーカード対応のメモリカードスロットと必要十分で、ネットワークは有線LANがギガビットに対応し、無線LANもIEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト)準拠と満足できる構成だ。
定番ノートPCらしい手堅い作り
今回は試作機のためベンチマークテストなどは実行できなかったが、参考までにWindowsエクスペリエンスインデックスの画面を掲載した。あくまで試作機なので実際の製品では異なる数値になる可能性もあるが、統合型チップセットを採用したモデルとしては良好な値であり、Windows Vista Home Premium(SP1)も快適に扱えるレベルにあるのが分かる。ちなみに本機の主なスペックは、CPUがTurion X2 RM-70(2.0GHz)、メモリが2Gバイト(1Gバイト×2)、HDDが160Gバイト(5400rpm)、15.4型ワイド光沢液晶ディスプレイ(1280×800ドット表示)だ。
同社で最も販売台数が多いモデルだけに、スペックや機能でとんがった部分は持たないが、柔らかで落ち着いたボディカラーをはじめ、ラッチレスに改められたボディや使い勝手を考えた端子の配置など、手堅くまとめているのは好印象だ。本機の販売は9月上旬の予定で、実売予想価格は18万円前後とやや高めだが、BD-ROMドライブではなくDVDスーパーマルチドライブを備えた下位モデルLL550シリーズなら15万5000円前後まで下がる。一新されたデザインを含めて、市場にどのように受け入れられるのか注目していきたい。
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