GPUをあらゆる分野で使えっ――CUDAで攻勢をかけるNVIDIA:NVISION 08(2/2 ページ)
NVIDIAが主催するイベント「NVISION 08」が米国のサンノゼで8月25日から27日にかけて行われた。「CUDA」がメインテーマの“開発者”会議でCEOは何を語ったのだろうか。
グラフィックスコンピューティングの可能性にどよめく
映像表現の可能性を広げる例として登場したMicrosoftの「PhotoSynth」では、聴衆が思わずどよめくようなデモが行われた。NVISION 08の直前に正式発表されたPhotoSynthだが、その動作デモが紹介されるのはこのキーノートスピーチが初めてとなる。PhotoSynthはデジカメなどで撮影した2D画像を多数つなぎ合わせることで3D画像を構築するソフトウェアだ。ユーザーは2D画像の写真をつなぎ合わせて作られた3D空間をバーチャルツアーで体験できる。
PhotoSynthとはアプローチの方向性が異なるものの、描画された3Dオブジェクトを専用眼鏡を使って立体視できる技術の活用も進んでいる。キーノートスピーチでは2種類のデモが紹介され、一方は映画の1シーンのような背景がステージになってそのなかで役者が演じているように見せるもので、もう1つは、RTSのAges of Empires IIIを3D化したものだ。映画制作会社のDreamWorksは、今後10年ですべての3D映画を立体視対応にすると表明しているように、映像産業では映像の立体化は大きなトレンドとなりつつある。
仮想世界をより身近にする技術として、ユーザインタフェース(UI)も重要だ。適切にデザインされたUIは、ユーザーに快適な操作環境を提供し、現実世界に近い直感的な操作を可能にする。キーノートスピーチのステージ上で紹介された大画面テレビは、ペンやマルチタッチ操作に対応しており、ユーザーが触れたままに線や点を描画し、オブジェクトの拡大や回転、縮小を簡単に行えた。
NVIDIAが築き上げてきた強力なGPUパワーを、あらゆる領域に拡大していくことをアピールすることが、NVISION 08の目的とされているが、その冒頭に行われたフアン氏のキーノートスピーチは、その可能性を十分のアピールする内容だったといえるだろう。
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