「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」はNetbookを新たな次元に引き上げるか?:ついに販売開始(1/2 ページ)
Eee PCを皮切りに、VAIO type Pまでさまざまな発展を続けるミニノートPC。その1つの進化形が、深紅のボディを身にまとったHPの「Vivienne Tam Edition」だ。
ついに直販で販売がスタート
2月2日、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のNetbook「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」が発売された。2008年9月に発表されて以降、約5カ月を経てついに入手が可能になった。現時点では「HP Directplus」をはじめとしたWenサイトのみの取り扱いで、量販店店頭では2月6日から販売予定となっている。ここでは、いち早く入手できた製品版を360度チェックした。なお、これまで取り上げたHP Miniシリーズの記事については、下の囲みを参照してほしい。
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スペシャルエディションに位置付けられる「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」
HP Mini 1000 Vivienne Tam Editionは、その名の通り「HP Mini 1000」シリーズのバリエーションモデルであり、当初は「HP Vivienne Tam Special Edition」と呼ばれていた。どのあたりが“スペシャル”かというと、1つはデザイナーのヴィヴィアン・タム氏が手がけた芍薬(しゃくやく)の花をあしらった深紅のボディにある。ZEN-design“uzu”を液晶ディスプレイ天面に採用したブラックボディのHP Mini 1000シリーズから一転して、全身が深紅のボディに彩られている。昨今では、PCでもさまざまなカラーバリエーションが登場しているが、ここまで特色のある柄やカラーは珍しいといえる。深紅のボディは落ち着きのある色味で、派手すぎず地味すぎず、非常にいい案配に仕上がっている。
HPではHP Imprintを導入した2006年以降、PCの性能強化とともに、デザイン性を重視したPCを精力的にリリースしているが、その1つの頂点が本機といっても過言ではない。
そして、もう1つの“スペシャル”は、画面サイズがHP Mini 1000シリーズの10.2型ワイドから10.1型とわずかに小さくなり、解像度も1024×600ドットから1024×576ドットに減ってしまったが、アスペクト比は16:9となった。NECの「LaVie Light」シリーズでもモデルチェンジを機に同様のことが行われたが、これはパネルを供給する側の都合があるとはいえ、少々残念なところだ。
そのほかの仕様は、すでに発売されているHP Mini 1000の60GバイトHDDモデルと同様で、バリエーションモデルは用意されず、HP Directplusの価格は5万9850円と、HP Mini 1000の60GバイトHDDモデルより5250円アップしている。女性をターゲットにしている本機だが、この存在感は男性でも気になるのではないだろうか。ACアダプタはHP Mini 1000シリーズと共通で、ブラックカラーのままなのが画竜点睛を欠く印象だが、深紅のボディとの相性は悪くない。ちなみに、ACアダプタはサイズが41(幅)×93(奥行き)×28(高さ)ミリ、重量が約315グラムで、3ピン→2ピン変換のウォールマウントプラグが付属する。
HP Mini 1000シリーズの主なスペック | ||||
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モデル | HDDモデル | 16GバイトSSDモデル | 8GバイトSSDモデル | Vivienne Tam Edition |
CPU | Atom N270(1.6GHz) | |||
メモリ | DDR2 1Gバイト(PC2-4200) | |||
メモリースロット | 200ピンSO-DIMM×1(空きなし) | |||
チップセット | Intel 945GSE Express | |||
ストレージ | 60Gバイト(1.8インチHDD) | 16GバイトSSD+8Gバイトミニモバイルドライブ | 8GバイトSSD | 60Gバイト(1.8インチHDD) |
液晶ディスプレイ | 10.2型ワイド光沢 | 10.1型ワイド光沢 | ||
画面解像度 | 1024×600ドット | 1024×576ドット | ||
グラフィックス | Intel GMA 950(チップセット内蔵) | |||
無線LAN | IEEE802.11b/g | |||
Bluetooth | Bluetooth 2.1+EDR | - | Bluetooth 2.1+EDR | |
有線LAN | 100BASE-TX/10BASE-T | |||
メモリカードスロット | SDHC対応SDメモリーカード/MMCスロット | |||
Webカメラ | ○ | |||
スピーカー | 内蔵ステレオ | |||
バッテリー | 3セル | |||
バッテリー駆動時間 | 約3.3時間 | 約3.5時間 | 約3.3時間 | |
ボディサイズ | 261.7(幅)×166.7(奥行き)×25.9(高さ)ミリ | |||
重量 | 約1.1キロ | |||
OS | Windows XP Home Edition(SP3) | |||
HP Directolus価格 | 5万4600円 | 4万9980円 | 5万9850円 |
ハードウェアのスペックはNetbook仕様
本機のボディサイズは261.7(幅)×166.7(奥行き)×25.9(高さ)ミリとスリムで、カバンへの収まりもよく、重量も約1.1キロ(実測値は1084グラム)と持ち運びも容易だ。3セルバッテリーの駆動時間は公称値で約3.3時間となっているが、次ページでのベンチマークテストの結果を見る限り、リアルモバイルの用途では心細い。HP Mini 1000のブラックモデルでは6セルの大容量バッテリーが2月中に追加される予定となっているが、本機では未定という。最悪、色違いのままでも利用ができるだろうが、今後の展開が気になるところではある。
Atom N270(1.6GHz)のCPUや1Gバイトのメモリ、Intel 945GSE Expressチップセットといったスペックは、数あるNetbookと共通で、OSのWindows XP Home Edition(SP3)も変わりない。標準でIEEE802.11b/g準拠の無線LANとBluetooth 2.1+EDR、そして100BASE-TX対応の有線LANを装備するなど通信機能は充実しているが、そのほかのインタフェースは2基のUSB 2.0とSDHC対応SDメモリーカード/MMC対応のメモリカードスロット、ヘッドフォンとマイク兼用端子のみと非常に割り切った構成だ。外部ディスプレイ出力を持たず、左側面にある専用の拡張端子に接続可能なアダプタの提供も現時点で行われていない。このあたりは従来モデルから弱点が改善されておらず、物足りなさを覚えるところだ。
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