CPU値下げ競争やHDD不具合など、いろいろあった1月のアキバ:5分で分かった気になるアキバ事情(2/2 ページ)
2009年の幕開けとともにPhenom IIやGeForce GTX 295が店頭に並び、CPU市場では価格改定が発生。一方、低価格化&大容量化が進むHDDでは、シーゲイト製品の取り扱いが一時中断するなどの騒ぎがあった。
シーゲイト製HDDの販売が一時中断されるも、1週間で復帰
1月19日、米シーゲイトのサイトに同社製HDDの一部ロットのファームウェアの問題により、アクセス不能になるトラブルが起きる可能性があることが告知された。対象は2008年12月以前に製造された「Barracuda 7200.11」「DaimondMax 22」「Barracuda ES.2 SATA」「SV35」シリーズ。これを受けて、ほとんどのPCパーツショップは取り扱いを一時中断した。
代理店やショップは在庫製品のロットやシリアルナンバーの確認と、以前購入したユーザーからの問い合わせに追われたが、1週間経たないうちに大半のショップが販売を再開した。某ショップは「信頼性の高さで多少高くても売れていたシーゲイトだけに、今回のショックは大きいですね。しばらくは尾を引きそうな状況です」と語る。実際、1月末の時点でも同店ではシーゲイト製HDDの売れ行きが大きく落ち込み、その分、日立GSTやウェスタンデジタル製品に流れているという。
販売再開後も「対象ロットでないのに“交換しろ。もしくは金を返せ!”との問い合わせを受けることがあります。ただ、シーゲイト側が特別なサポートを設けていないこともあって、どうすることもできないんですよ」(某店員氏)といった反応が続いている。その一方で「液晶のドット抜けと同じようなもので、どのメーカーのHDDだってエラーのある製品はあります。そのためHDDは特別な保証を付けているわけですが、今回のシーゲイトはたまたま表に出たという印象。その後の対応はちょっとしっかりしてほしかったですけど」(PCパーツショップ・HDD担当スタッフ)。という声もあった。
そのほかの注目アイテム――VAIO type Pに新型SSD、激安地デジチューナーなど
最後は1月に登場したそのほかの新製品を4モデル紹介したい。まずは1月16日に発売となった、ソニーのミニノート「VAIO type P」(VGN-P70H)だ。価格は10万円弱で在庫は潤沢ながら、注目度の高さから週末中の売り切れが予想されていた。取り扱うソフマップ系列の店舗では、店頭の呼び込みスタッフがtype Pの発売を連呼し、展示コーナーにも多数の人が訪れていた。取り扱いのないPCパーツショップは温度差があり、「VAIO type Pはネットブックではないですからね。ウチではやっぱりEee PCとAspire oneが人気です」(ツートップ秋葉原本店)など、関心の薄いコメントが目立った。
2008年に大きく躍進したSSDも新製品ラッシュが続いている。1月10日には、インテルの160Gバイトモデル「X25-M SSDSA2MH160G1C5」が10万円弱の価格で登場。22日には、OCZの250Gバイトモデル「OCZSSD2-1APX250G」と120Gバイトモデル「OCZSSD2-1APX120G」が入荷した。価格は7万円弱と4万5000円前後だ。最近のSSDの動向について、T-ZONE.PC DIY SHOPは「リード200Mバイト/秒以上の高速かつ、200Gバイト以上の大容量モデルが増えました。しかも価格はどんどん下がっているので、インテルが従来のどおりの高級&高速路線で行けるかは微妙です」と語る。
一方、地デジチューナーは新生活準備シーズンに入って注目度が増しているようだ。その中で、ダントツで安い4980円のワンセグ&フルセグ対応の外付けチューナー「DY-UD200」が、フェイス本店に入荷して脚光を浴びている。同店は「ワンセグ感覚で機能が追加できると思えば、ダビング10非対応などの欠点も許容範囲。地デジチューナーもダブル録画などの高機能タイプと、割り切った激安モデルの2極化が進むかもしれません」と話していた。
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