「体験すればデルのよさを分かってもらえると思う」:コンシューマー事業のトップに聞く
デルがJR新宿駅構内で新製品のタッチ&トライ・イベントを開催している。同社のコンシューマ事業を統括するジョージ・ケラマン氏が視察に訪れていたので話を聞いた。
デルは7月23日、JR新宿駅構内の「アルプス広場」において、同社新製品のタッチ&トライ・イベント「YOURS IS HEREライフスタイル体験イベント」を開催した。実施期間は7月23日から7月26日までの4日間(10時~19時)。同イベントでは、アルプス広場にリビングルームや書斎、カフェのセットを設けて実際にPCが利用される生活空間を演出しており、部屋のインテリアとPCのデザインのマッチングなどを実際に確認しながら体験できるようになっている。なお、書斎をイメージしたセットには15.4型ワイド液晶搭載ノートPC「Studio 15」、リビングには液晶一体型PC「Studio One 19」、カフェにはNetbookの「Inspiron Mini 10」と「Inspiron Mini 10v」が並んでいた。
関連レビュー
性能とデザインを自分色に染められるデルの「Studio 15」で年を越す
2世代目もイケメンなデル「Studio One 19」を眺める
デルが放つファンレスノートPC第3弾「Inspiron Mini 10」を360度チェックした(前編)
デルが放つファンレスノートPC第3弾「Inspiron Mini 10」を360度チェックした(後編)
デルの新顔Netbook「Inspiron Mini 10v」の切れ味を試す
当日イベント会場にはデルコンシューマ事業部本部長・執行役員のジョージ・ケラマン(George Kellerman)氏が視察に訪れており、話を聞く機会を得た。ちなみにケラマン氏は約1年前に日本のコンシューマ事業を統括するポストについているが、正式な形でメディアへ登場するのは今回が初めて。同氏は非常に多彩な経歴の持ち主で、デル入社以前は米Yahoo!の法律顧問をはじめ、これまでヤフーやライブドアなど、日本のIT企業の戦略的アドバイザーも務めている。
――コンシューマ事業の統括責任者になられてからちょうど1年になりますね。1年前と比べてコンシューマ事業の状況はどのように変わりましたか?
ケラマン 私がデルに入社したときは、ちょうどデルがこれまでのBTOビジネスからリテールへ注力していた時期でした。現在は全国各地の量販店約1000店舗でPCを展開していますが、“Yours is here”をコンセプトに個人向けブランドを刷新した2007年は、最初は取り扱いがビックカメラ(25店舗)だけだったので、ソフマップをはじめ、コジマやエディオン、ピーシーデポ、ヨドバシなど、残りの900店舗以上は2008年から拡大したものです。
デルが日本で販売業務を開始してからもう15年以上が経っていますので、デルのPCを使ったことがある人はかなりいると思いますが、これまでは仕事用PCとしてイメージしている人が多かったかもしれません。しかし、現在は日本各地でデルの製品を体験できる場所があるので、PCに詳しくないコンシューマーにもデルのPCのよさを分かってもらう機会が増えたと思っています。実際、顧客の反応はとてもいいですね。
――今回のイベントを、例えば秋葉原などではなく、新宿駅構内で実施した理由も、より一般層へ訴求したいということでしょうか
ケラマン ええ、そうです。JR新宿駅はハブとして非常に多くの、多様な人々が通ります。サラリーマンもいれば学生もいますし、おばあちゃんや子ども、性別も年齢もさまざまです。PCに詳しい人だけでなく、デルを知らなかった人にも製品を提供したいと考えています。また、新宿駅の近くには量販店も複数あるので、実際に触ってみて気に入ればすぐに買いに行けるでしょう。
また、こういったイベントでは、日常でデルの製品がどうフィットするかを体験できるというメリットがあります。量販店にはデル以外にもたくさんのPCが並んでいますが、少し触ってすぐ次を試すといったように、なかなか実際の利用シーンをイメージしながら使うことはできません。ここでならそれができますし、自分のニーズにあったマシンを探している人のために、デルのフルラインアップを説明できるスタッフもちゃんといます。新製品が当たる抽選やキャッシュバックキャンペーンも実施しているので、是非体験イベント来て欲しいですね。
――話は変わりますが、この1年間を振り返るとNetbookが流行したのも大きなトピックですね。Netbookへの参入に対してデルは少し出足が遅かった印象はありますが……
ケラマン いえ、それは違います。後出しだと追従したように見えるかもしれませんが、小型の低価格PCについて私たちは以前から市場の成長を見込んでおり、Netbookのリリースも早くからロードマップに組み込んでいました。私たちが遅かったのではなく、一部の他社が早かったというほうが正しいでしょう。デルは常に最新の技術をいち早く取り入れるように努力していますが、世界的な景気後退の影響を受けて、ほかの企業は自社の競争力を高めるために新技術の採用スピードがさらに速くなっていくかもしれません。
ただ、私たちが最も重視しているのは、日本のユーザーのニーズにどうやって応えていくのか、多種多様なユーザーニーズを満たすためにはどうすればいいかです。もちろん、ニーズはユーザーによってまったく異なるので、デルはフルラインアップをそろえる戦略を取っています。InspironやStudioだけでなく、Inspiron MiniやAdamo、Studio one、Alienwareなど非常に多くのモデルをそろえました。
――例えば、Netbookに搭載されるAtomよりもパフォーマンスが高く、かつ長時間のバッテリー駆動ができるノートPCを安価に手に入れたいと考えているユーザーのニーズに対してはどう考えていますか?
ケラマン すみません。デルのラインアップにはありませんか?
――具体的に言うと、CULV CPUを採用するノートPCの投入予定なんですが……
ケラマン ああ(笑)。今後の製品投入の予定についてここで語ることはできません。常にデルは新しい技術の採用を検討してはいますが、それがどういったものかを答えることはできません。ただ1つ言えるのは、いつも私たちはユーザーニーズを満たすために何ができるのか、モノだけでなく、サービスや品質、サポートまで含めて、顧客の満足度を高めるにはどうすればいいのかを考えているということです。
――いつごろ満たしてくれるのでしょう(笑)
ケラマン できるだけ早くそうしたいとは思っていますが(笑)
――それと最後にもう1つ。Alienwareの日本での展開が始まりましたが、ゲーミングPCのブランドは現在2つありますね。すみ分けはどうなるのでしょう?
ケラマン 今後ゲーミングPCはAlienwareブランドに統合されていきます。XPS 1730の販売はすでに終了しており、Alienware M17xのみになります。デスクトップPCも同様です。
――あれ? でも日本で販売されているAlienwareブランドの製品はノートPCだけですよね。デスクトップPCは?
ケラマン それも楽しみにしていてください(笑)
関連記事
デルの新顔Netbook「Inspiron Mini 10v」の切れ味を試す
Netbook/低価格ノートPCのラインアップを拡充し続けるデルから、Inspiron Mini 9の後継となる廉価モデルが登場した。その店頭モデルをチェックしよう。OC×SLI×SSD RAIDも可:“宇宙最強”のゲーミングノートPC「Alienware M17x」を試す
ただのPCには興味ありません。この中に宇宙人のPCを持っている人がいたらわたしのところに来なさい、以上。というわけで再び編集部に飛来した「M17x」、今度は光るぞッ。IPSで3万円切りはオキテ破り!?――デルの22型ワイド液晶「2209WA」に迫る
デルの22型ワイド液晶ディスプレイ「2209WA」は、最新のe-IPSパネルを採用し、3万円以下の低価格を実現した注目製品だ。広視野角で高画質というIPS神話は安くても健在か?宇宙最強!?――異形ノートPC「Alienware M17x」との遭遇
謎のエイリアンが日本のPC市場を狙っている、との情報を入手したPC USER特派員。早速、東京に飛来したエイリアンの先兵「Alienware M17x」との接触を図ったが……。個性的なXPSデザインが復活!――デル「Studio XPS 435」
XPS 700シリーズの前傾姿勢は衝撃的だったが、最近のXPSやStudio XPSは行儀がよすぎて物足りない……、と思っていたら、なんとも新鮮なStudio XPSが登場した。AdamoとMacBook Airがガチンコ対決
前回はAdamoとMacBook Airの外観を比べたが、今回はベンチマークテストで両モデルの性能を徹底チェックした。デルが放つファンレスノートPC第3弾「Inspiron Mini 10」を360度チェックした(後編)
低価格のNetbookとはいえ、性能やバッテリーの駆動時間は気になるところだ。デルの新製品を早速チェックした。デルが放つ低価格スリムノート「Inspiron Mini 12」の中味を拝見した
ファンレスで低価格な大画面スリムPCとして唯一無二の存在である「Inspiron Mini 12」を分解した。その中身は驚くべきものだった。- デルは「箱」を開けてしまったのか
台湾製が主流だったNetbook市場に、ヒューレット・パッカード、そしてデルといったメジャープレーヤーが参戦してきた。彼らにとってNetbookは“鬼門”ではなかったのか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.