Let'snote初のフルHD対応新シリーズ──「Let'snote B10」:2011年PC春モデル
パナソニックは、1月27日にLet'snoteの新シリーズを発表した。同シリーズで最大となる15.6型ワイドディスプレイを搭載し、1920×1080ドットの表示が可能だ。
- Let'snote 2010年春モデル全体の概要→大画面フルHDを実現した“B”な新シリーズが登場
大画面、だけど、軽量
パナソニックは、1月27日にLet'snoteの新シリーズ「Let'snote B10 CF-B10」を発表した。出荷開始は店頭モデルが3月11日、Web販売限定のマイレッツ倶楽部モデルが3月19日から。なお、Let'snote B10の登場にあわせて、Let'snote Yシリーズは終息する。
Let'snote B10の店頭モデルは、Microsoft Office Home & Businessの有無で2機種用意されるが、ハードウェアの構成は同じだ。また、マイレッツ倶楽部モデルは、プレミアムエディションだけが用意される。実売予想価格は、店頭モデルでMicrosoft Office Home & Businessが標準で付属する「CF-B10AWHDR」が19万円前後。付属しない「CF-B10AWADR」が17万5000円前後となる。
Let'snote B10では、Let'snoteシリーズで最大となる15.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載し、解像度も1920×1080ドットとフルHDコンテンツの再生に対応する。Let'snote B10で大画面液晶ディスプレイを搭載した理由として、パナソニックは、国内ノートPC市場で15~16型液晶ディスプレイ搭載ノートPCの規模が大きく、かつ、デスクトップPCからA4ノートPCへ移行を希望するユーザーが多いことから、このディスプレイサイズのノートPC市場に新シリーズを投入したと説明している。なお、15.6型ワイドに決定した理由は「通常多くのユーザーが使っているビジネスカバンに入れられる最大のサイズが15.6型ワイドだった」としている。
パナソニックは、大画面ディスプレイを搭載したノートPCが作業効率にどのような影響を与えるのかを、Let'snote B10と解像度1366×768ドットのディスプレイを搭載するA4ノートPCで比較する第三者機関テストで調査しているが、テキストファイルで文字検索後に修正する作業では40%、グラフ作成作業で27%、ファイルの検索とフォルダ移動作業で24%の時間短縮が確認された一方で、同じ解像度で異なる画面サイズのノートPCで比較したところ、作業時間に違いはなかったという。
Let'snote B10では、画面分割ユーティリティが導入される。この機能では、デスクトップ画面に“境界線”を設けることで、ユーザーがよく使うデスクトップレイアウトを利用できるほか、ウインドウを表示させないで常にデスクトップを表示させる領域も指定できる。画面分割のレイアウトは事前に10パターンが用意されるほか、ユーザーが任意で変更でき、直前のレイアウトを残しておくことも可能だ。
また、解像度(1920×1080ドット、1600×900ドット、1366×768ドット、1280×720ドット)、無線LANのオン/オフ、内蔵ドライブの電源オン/オフの切り替えが、専用ボタンではなく、Home、Page Up、Page Down、Endキーに割り当てられているが、これらのキーに割り当てられた機能をデスクトップに表示して分かりやすくする機能も用意された。
最新シリーズだから、Sandy Bridge世代のCPUを採用
内蔵ドライブは、従来のLet'snoteシリーズで搭載された専用の軽量薄型タイプではなく、トレイ式を採用する。トレイがスライドする方向は正面で、ボディ内部に補強版を加えることで、パームレスト部の強度を確保している。トレイ式を採用したおかげで、マイレッツ倶楽部限定モデルのプレミアムエディションにおいて、Let'snoteシリーズで初めてBlu-ray Discドライブの搭載が可能になった。
本体サイズは370.8(幅)×229(奥行き)×31.4~43.2(厚さ)、重さは約1.88キロで、パナソニックは「一般的な13型ワイド液晶ディスプレイ搭載ノートPCより軽い」とアピールする。バッテリー駆動時間は約6時間で、1時間で80%まで充電できる急速充電にも対応する。
キーボードはピッチが19ミリ、ストロークは3ミリを確保。打鍵時の発生音を抑えて会議室や図書館でも使える静かさを目指したという。また、円形ホイールパッドの回りに設けたクリックボタンは、従来の下側に加えて上側にも加えた「ツインクリックボタン」を導入し、キーボードから手を離さずにクリック操作が行えるようにした。
CPUは“Sandy Bridge”世代のCore i5-2520M vPro(2.5GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.2GHz)を搭載、チップセットにIntel QM67 Expressを載せるなど、インテルの最新ノートPC向けプラットフォーム「Huron River」を採用する。OSはWindows 7 Professonalで、初期設定時に64ビット版と32ビット版を選択できる。システムメモリは標準状態で4Gバイト実装。最大で8Gバイトを搭載できる。データストレージは、500GバイトのHDD。本体に搭載するインタフェースは、3基のUSB 2.0、SDメモリーカードスロット、1000BASE-T対応の有線LAN、画像出力としてHDMIとアナログRGBを備えるほか、無線接続として、IEEE802.11 a/b/g/nが利用できる。また、SDメモリーカードスロットはUHS-I高速転送に対応し、読み出しの最大転送速度は60Mバイト/秒になる。
プレミアムなB10はCore i7シリーズを搭載
Web販売限定のマイレッツ倶楽部モデルは、プレミアムエディションが用意される。CPUには店頭モデルの上位クラスとなるCore i7-2620M vPro(2.7GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.4GHz)を搭載し、内蔵ドライブにはLet'snoteシリーズで初めてBlu-ray Discドライブを採用する。無線接続では、店頭モデルで利用できたIEEE802.11 a/b/g/nに加えて、Bluetooth Ver.2.1+EDRに対応する。
カラー天面も用意され、店頭モデルと同じ「シルバーダイアモンド」のほか、「ステイトリーブラック」「オプレジャーレッド」「キュリオピンク」「ライブブルー」が選べる。また、カナなしローマ字キーボードや軽量のSバッテリー(バッテリー駆動時間は3時間)の選択、ネームプレートサービスが利用できる。
- 関連レビュー→Let'snote B10の大画面ディスプレイと軽いボディにホレる
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Let'snote Bシリーズ店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売価格 |
B10 | CF-B10 (CF-B10AWADR) | 2スピンドル | 新シリーズ | Core i5-2520M(2.5GHz/最大3.2GHz) | 4GB (DDR3) | 500GB | 64ビット版/32ビット版7 Professional | 17万5000円前後 |
CF-B10 (CF-B10AWHDR) | 2スピンドル | 新シリーズ | Core i5-2520M(2.5GHz/最大3.2GHz) | 4GB (DDR3) | 500GB | 64ビット版/32ビット版7 Professional | 19万円前後 | |
Let'snote Bシリーズ店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | vPro/オフィス | 重量 |
B10 | CF-B10 (CF-B10AWADR) | 15.6型ワイド | 1920×1080 | Intel QM67 | DVDスーパーマルチ | CPU統合 | ○/- | 約1880グラム |
CF-B10 (CF-B10AWHDR) | 15.6型ワイド | 1920×1080 | Intel QM67 | DVDスーパーマルチ | CPU統合 | ○/Office Home and Business 2010 | 約1880グラム |
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Let'snote | マイレッツ倶楽部 | ノートPC | vPro | Huron River | ノートPC向けプラットフォーム | Sandy Bridge
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