「動く!触れる!」Oak Trailタブレットデバイスでデバイスマネージャーを見ちゃう:CeBIT 2011
ARM攻勢に反撃を挑むIntelの主力兵器が“Oak Trail”だ。製品投入直前のタイミングに、CeBITブースにあった機材で、スペックと性能の一端をチェックした。
動いて触れるOak Trailだから、やることは決まっているよね。
動いて触れるOak Trail搭載タブレットデバイスが展示されていたのは、台湾ベンダーが集まるHall 17のECSブースだ。展示されていたのは、10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載するタブレットデバイス「ElitePad S10-I」と、7型ワイド液晶ディスプレイを搭載するタブレットデバイス「ElitePad V07-I」の2モデル。どちらもOSにWindows 7 Home Premiumを導入できるので、タブレット“PC”と呼んでもいいだろう。なお、ElitePad V07-Iの説明資料では、OSとしてWindows 7 Home PremiumのほかにIntelの「MeeGo」とAndroid 3.0も導入可能とされている。
ElitePad S10-Iが搭載する“Oak Trail”世代のAtomは「Atom Z670」(開発コード名はLincroft)で、チップセットは「SM35」(開発コード名はWhitney)を搭載するという。グラフィックス機能は、Atom Z670に統合されたグラフィックスコアを利用する。
タッチパネルを内蔵した10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載するが、その解像度はモデルによって、1366×768ドット、または、1024×600ドットになる。システムメモリはオンボードにDDR2-800を1Gバイト実装し、データストレージデバイスには、容量が16Gバイト、もしくは、32GバイトのSSDか、1.8インチHDDを搭載する。
無線接続用のインタフェースとして、IEEE 802.11 b/g/nの無線LANとBluetooth 3.0が標準構成で利用できるほか、オプションでワイヤレスWANモジュールも搭載可能だ。
本体サイズは268(幅)×174(奥行き)×13.6(厚さ)ミリで、重さは800グラム以下になる予定。この状態で、バッテリー駆動時間は6時間以上を目指すという。
デバイスマネージャーで確認した、ElitePad S10-Iのシステム構成では、Atom Z560の動作クロックは1.5GHzで、デュアルスレッドに対応可能。Atom Z560に統合されたグラフィクスコアはIntel GMA 600と記されている。Serial ATAデバイスやSDメモリーカードのコントローラではIntel SM35 Expressの型番が並ぶ。なお、ElitePad S10-Iに搭載されたデータストレージは東芝のSSD「MK1235GSL」で容量は120Gバイト、無線LANコントローラでは、Realtekの「RTL8188CUS」が確認された。
この構成と、32ビット版Windows 7 Home Ppremiumを導入した状態で測定したWindows エクスペリエンスインデックスの値は、Processorで1.6、Memoryで4.2、Graphicsで1.0、Gaming graphicsで1.0、Primary hard diskで5.9となった。
モックだけど、WindowsもMeeGoもAndroid 3.0もOK
7型ワイド液晶ディスプレイを搭載する「ElitePad V07-I」は、動作しないモックアップだけの展示だが、詳しいスペックが公開されていたので、紹介しよう。
CPUとチップセット、CPUに統合されるグラフィックスコアはElitePad S10-Iと共通だ。ディスプレイの解像度は1024×600ドット。オンボードに搭載するシステムメモリと無線接続の仕様も同じだ。データストレージにはSSDのみを採用する予定とされている。
本体のサイズは121(幅)×194(奥行き)×13.6(厚さ)ミリ。重さは360グラムになるという。この条件でバッテリー駆動時間は5時間以上を目指す。なお、バッテリー容量は3750mAHだ。
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