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“性能電力比”は向上したか?――GTS 450を強化した「GeForce GTX 550 Ti」を検証せよイマドキのイタモノ(2/2 ページ)

GeForce GTX 550 Tiが発表された。GeForce GTS 450の“500”世代でGTSからGTXとなり、さらに“Ti”となった最新ミドルレンジGPUの“効率”を計測してみよう。

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性能はGTX 460とGTS 450のほぼ中間。消費電力の増加は抑制

 ベンチマークテストの比較機材としては、GeForce GTS 450搭載の「ENGTS450 DIRECTCU TOP/DI/1GD5」と、性能的に1段階上のクラスとなるGeForce GTX 460搭載の「ENGTX460 DIRECTCU/2DI/1GD5」を用意した。なお、すべてOCモデルとなる。そのほかの検証システムの構成は従来のベンチマークテスト記事と同様で行っている。

評価用システム構成
CPU Core i7-980X Extreme Edition(3.33GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.6GHz)
マザーボード ASUS Rampage II Gene
チップセット Intel X58 Extreme+ICH10R
メモリ DDR3-1066(4Gバイト×3)
HDD WD5000AAKS(500Gバイト/7200rpm/16Mバイト)
OS 64ビット版 Windows 7 Ultimate
3DMark06:3DMarks、nonAA/nonAN
3DMark06:3DMarks、8xAA/8xAN
3DMark Vantage:Overall
3DMark 11:3DMarks
LOST PLANET 2:DirectX 11、テッセレーション:Heavy
BIOHAZARD 5:DirectX 10
The Last Remnant:DirectX 9
消費電力

 ベンチマークテストの結果から見ると、GeForce GTX 550 Tiは、GeForce GTS 450とGeForce GTX 460の間のポジションにあるといえる。その傾向を各ベンチマークテストで確かめていくと、3DMark 06では、低画質低解像度条件でややGeForce GTX 460寄りだが、高画質高解像度条件になるとGeForce GTS 450寄りのスコアになっている。3DMark 11の結果もこれに近い傾向を示している。

 一方、3DMark VantageではGeForce GTS 450をやや上回る程度にとどまっている。CUDAコアの影響がないGraphics Scoreでも同様の傾向で、3D表現の実装方法によって性格が異なる可能性を示している。ゲームタイトルを用いたベンチマークテストでは、DirectX 11に対応するLOST PLANET 2、DirectX 10に対応するバイオハザード5、DirectX 9に対応するThe Last RemnantのいずれでもGeForce GTX 460とGeForce GTS 450のほぼ中間という結果だ。

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 消費電力はアイドル時でGeForce GTS 450から4ワット増え、GeForce GTX 460から2.5ワット減っている。一方で、ピーク時の値はGeForce GTS 450に近く、GeForce GTX 460からは大きく消費電力減となった。性能はGeForce GTX 460とGeForce GTS 450の中間であっても消費電力はGeForce GTS 450に近いということは、性能電力比は向上しているといえるだろう。

DirectX 11へ乗り換えたいミドルレンジGPUとして有効なモデル

 以上の性能評価における結果では、最新のゲームタイトルを最高の設定条件で動作させるのは無理でも、比較的低解像度で楽しむのであれば十分と考えられる。しかし、500シリーズ世代となったもののGeForce GTS 450ユーザーが買い換えるには性能の向上幅が小さい。やはりNVIDIAが考えるようにGeForce 8600 GTなどのやや古い世代のGPUを使っているユーザーの買い替え候補というのが正しいだろう。およそ1万円台半ばという価格設定もGeForce 8600 GTと近い。GeForce GTS 450をパスしたユーザーにも適したGPUかもしれない。

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