「DZ77RE-75K」で、Visual BIOSとThunderboltを使ってみた:イマドキのイタモノ(3/3 ページ)
“Ivy Bridge”世代のCPUに対応するマザーボードで注目したいのがThunderboltのサポートだ。ようやく登場したモデルから“インテル純正”を試してみた。
DZ77RE-75Kで使えるThunderboltの性能は?
マザーボードそのものが、すでに登場している「DZ77GA-70K」とほぼ同じ機能となっているので、汎用のベンチマークテストにおいて、DZ77RE-75Kに特定で注目すべきポイントはない。やはり、新しく追加したThunderboltが気になるところだろう。そこで、Thinderboltに対応する周辺機器でデータストレージ系の製品を接続し、その転送速度をUSB 3.0などに接続した場合と比較してみた。
用意したThunderbolt接続の周辺機器はLACIEでMacOSに対応する外付けストレージユニット「Little Big Disk」を用意したが、すでに搭載している2台の2.5インチHDD(容量500Gバイト)がMacOSに対応したファイルシステムでフォーマットされたうえにRAID 0を構築しているため、この性能評価では、Little Big Diskに内蔵するHDDを取り出し、その代わりにPLEXTORのSSDで容量256GバイトのM3 Proを接続し、ベンチマークテストのCrystalDiskMark v3.0.1Cと、PCMark 7で外付けストレージの性能を測定するSecondary Storage Score、そして、Windowsフォルダ(容量は、約11.4Gバイト)のデータを転送する時間を、USB 3.0接続とUSB 2.0接続のそれぞれで比較した。なお、USB 3.0とUSB 2.0接続のときはBUFFALOの「HD-H1.0TU3」にM3 Proを搭載して測定している。
ベンチマークテストのCrystalDiskMark v3.0.1Cにしても、PCMark 7で外付けストレージの性能を測定するSecondary Storage Scoreにしても、USB 2.0接続から、USB 3.0、そして、Thunderboltと新しい規格のインタフェースで接続するごとに、テスト結果は向上する。特に、CrystalDislMark 3.0.1Cでは、Thunderbolt接続の結果はUSB 3.0接続時と比べて、2~3倍以上に跳ね上がっている。
データ転送速度の速さを、一番分かり易いのが“Windowsフォルダ”のコピー処理だろう。システムドライブのSSDから、“外付け”のM3 Proにコピーした場合、USB 2.0接続では15分以上かかっていたのが、USB 3.0で6~7分、そして、Thunderbolt接続ではわずか3~4分で10Gバイトを超えるフォルダのコピーが終わっている。
Ivy BridgeとIntel 7シリーズチップセット搭載マザーボードにおけるThunderboltのサポートにおいては、いろいろと説明するのが難しい過程があったと関係者の間では語られているという。そのあたりの詳細は、追って別な記事として紹介する機会が来るかもしれないが、それはそれとして、予定よりもやや遅れてThunderboltインタフェースを搭載したマザーボードが自作PC市場に登場した。今回行った性能評価でも、その転送速度の向上はもとより、DisplayPortに対応するディスプレイを含めて6台までの機器を接続できるなど、運用の柔軟性にも注目するユーザーは多いだろう。
周辺機器がまた十分にそろってはいないThunderboltだが、少なくとも機能と性能としては十分に有効な付加価値と考えることができるだろう。
関連キーワード
マザーボード | Thunderbolt | Ivy Bridge | Intel 7シリーズ | 自作 | Intel Z77 Express | イマドキのイタモノ | PCパーツ
関連記事
“Ivy Bridge”搭載PCに純正マザーが集結!──「Intel Technology Day in Akiba 2012」
深夜販売の興奮が残る秋葉原で、インテルが大規模イベントを行った。昼間の主役はインテル純正マザーにショップブランドPC、そして……、そう! 吉田社長だ!「これはいい予想外です」 “Ivy Bridge”深夜販売に400人が集まる!
4月9日のZ77/H77/B75マザーに続き、“Ivy Bridge”も4月29日0時1分に販売解禁となった。そして、今回は4倍の店舗が開店し、8倍近い人が集まった。大解説! Ivy Bridgeの新技術と対応インタフェースの謎
Ivy Bridge世代が大型連休から出荷を開始。深夜販売も予定されて盛り上がる“第3世代”CPUに導入した新技術と、ハイエンドマザーのちょっと困った事情を解説。インテル、“Ivy Bridge”こと「第3世代Core」を正式発表
22ナノメートルプロセスルールと3Dトライゲートトランジスタ技術を導入した、インテルの新世代CPUが登場する。デスクトップPC向けモデルのTDPは最高で77ワットとなった。Ivy Bridgeの「Tick+!」な性能を試す
Intel HD Graphics 4000に3Dトライゲートと、ただ22ナノにシュリンクしただけでないIvy Bridge。その実力とメリットを「Core i7-3770K」で確かめてみた!インテル、Intel 7シリーズチップセットを正式に発表
インテルは、4月8日に“第3世代Coreプロセッサーファミリー”に対応する新しいチップセットシリーズを発表し、その仕様を“ようやく”明らかにした。Ivy BridgeはZ68、P67、H67などでも使えます
インテルは、CeBIT 2012で行った説明会で、Ivy BridgeとIntel 7シリーズチップセットの概要を説明。チップセットにUSB 3.0を統合することを公式に認めた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.