「GeForce GTX 660 Ti」は“GTX 580”を本当に超えるのか?:イマドキのイタモノ(3/3 ページ)
GeForce GTX 660 Tiは、実売3万円前後の激戦区に登場した“Kepler”世代のGPUだ。多くのユーザーが注目するこの価格帯で最も重要な“価格対性能比”を検証する。
ちょうどいい価格対性能比のKepler
ベンチマークテストの結果から見るGeForce GTX 660 Tiの3D性能は、GeForce GTX 580にほぼ相当する。GeForce 500シリーズの最上位モデルの性能が購入しやすい価格で実現したことになる。1世代前といえど、現在のゲームタイトルでも、高画質・高解像度な設定で依然として高いフレームレートを発揮する性能を有する。それでいて、省電力性能は、28ナノメートルプロセスルールの導入とKepler世代におけるブラッシュアップでさらに改善している。
これまでのレビュー記事で測定してきた3DMark 11のPerformance設定におけるスコアで、GeForce GTX 680はP9000台、GeForce GTX 670がP8000台、そして、GeForce GTX 660 TiがP7000台というように、およそ1000ポイント刻みになっている。
GeForce GTX 660 Tiの実売予想価格は、定格クロックモデルが北米で299ドル、日本では2万9000円前後と予想されている。さらに、グラフィックスカードベンダーがオリジナルのクーラーユニットを搭載したオーバークロックモデルにおいて、3万円~3万円台前半といったあたりになるとみられる。
実売価格が3万円台前半強となると、GeForce GTX 670の低価格モデルと競合する。発売から時間がたったGeForce GTX 670搭載モデルは、実売価格も落ち着いている。3DMark Vantageのスコアで1000ポイントの違いとなると、通常のオーバークロックモデルでも差は詰められない。となると、GeForce GTX 670を選ぶかGeForce GTX 660 Tiを選ぶかの決め手は、クーラーユニットの性能や基板設計、そして、省電力性能を重視するかというあたりになりそうだ。ただし、2万円台に収まりそうな定格モデルでは、コストパフォーマンス重視のユーザーにとって有力な購入候補となるだろう。
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