レビュー

大画面派待望、“15.6型ノート”の概念を変える特別モデル──「LaVie X」徹底チェック(後編)15.6型FHDで極薄・軽量(2/2 ページ)

高性能+大型画面の15.6型サイズながら、11型~13型クラスの薄さ・軽さを実現した新世代のスペシャルUltrabook、それが「LaVie X」だ。レビュー後編では、ディスプレイ+キーボードの使い勝手、そして実パフォーマンスを計るベンチマークテストを実施する。

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Ultrabookとしてトップクラスの性能

CrystalDiskMark 3.0.2の結果

 続いてベンチマークテストの結果を見てみよう。

 まずはパフォーマンスの鍵を握るSSDの性能をCrystalDiskMark(データタイプ:ランダム)で確認してみた。シーケンシャルリードは481.6Mバイト/秒、シーケンシャルライトも449.3Mバイト/秒ときわめて優秀なスコアをマークした。これはすばらしい。ランダムライトのスコアこそさほどでもないが、Ultrabookに搭載されるmSATA SSDとしてはトップクラスといってよいだろう。念のためデータタイプを0fillでも測定してみたが、特に変化はなく、データの圧縮率によって性能が変化するタイプではないようだ。

 Windows エクスペリエンスインデックスも、プライマリハードディスクのサブスコアは8.0と上々だ。プロセッサの7.1を含めて全体的にも大きな弱点がなく、Windows 8を快適に使えるパフォーマンスを示している。

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Windowsエクスペリエンスインデックスの結果

 また、PCMark7、3DMark06、3DMarkVantage、その他ゲームベースのテスト、いずれも現行Ultrabookの中でトップクラスといって差し支えないスコアだ。SSDが高速であること、そしてメモリがデュアルチャンネルアクセスに対応していることが大きいと思われる。

PCMark7のテスト結果(左) CrystalDiskMarkのテスト結果(右)
3DMark06のテスト結果(左) 3DMarkVantageのテスト結果(右)
ストリートファイターIVベンチマークのテスト結果(左) モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】のテスト結果(右)

 バッテリー動作時間はBBench 1.01(海人氏作)の標準設定(60秒間隔での10サイトWeb巡回/10秒間隔でのキーストローク)を利用して測定した。本体側は、802.11n無線LANで常時接続し、Bluetoothはオフ、電源プランは「バランス」、液晶ディスプレイの輝度は40%に設定した結果、残量5%で休止状態へ移行するまで約4時間21分動作した。公称の約7時間よりは短いが、本機の液晶ディスプレイは輝度40%でもかなり明るい。こちらをより低めにし、電源プランもecoなどに設定すればさらに1~2時間ほど伸ばすことも十分に可能と思われる。大画面のIPS液晶を搭載していることを考えれば十分な動作時間といえる。

 動作音は平常時は静粛で、アイドル時や低負荷時は耳を近づけても回転音らしき音さえ聞こえてこないほどだ。CPUや内蔵GPUに高い負荷をかけるとそれなりのファン風切り音は発生するようになるが、それも耳を傾けると気がつく程度で、もちろん気になるレベルではない。普段は回ったとしてもごく低速であり、さらに排気口が背面にあることもあってほぼ無音に近い感覚だ。

 発熱は底面の奥側、ファンのあるあたりがあたたかくなる。ただ、室温22度の室内で最大36度とそれほど高熱にはならなず、もちろんキーボードやパームレスト部分まではまったく伝わってこない。こちら、夏場でも発生した熱による不快さを感じるは心配はほぼないと思われる。これだけの薄型を実現しながら、大きなフットプリントを生かしてうまく放熱できていることが伺える。

大画面モバイルの最先端

 2012年12月27日に発売されたLaVie X。店頭モデルは実売17万5000円前後(発売時)となっている。スペシャルな極薄・軽量のための構造、機構、さらにOffice Home and Business 2010インストール済みということもあり、Ultrabookとしてはやや高価な部類に入る。ただ、NEC Directのカスタマイズ対応モデル「LaVie GタイプX」は、128GバイトのSSD、Officeなし/Officeのエディション(Personal/Home and Business 2010)、レシーバー内蔵型ワイヤレスマウス、OSのエディション(Windows 8 Pro)といったカスタマイズメニューを設け、基本構成価格は12万9780円からと意外とリーズナブルな価格より購入できる。

 店頭モデルはちょっと高いな……と思う人、あるいは最初からWindows 8 Proを選択したい人は、カスタマイズ対応のLaVie GタイプXを検討してみてほしい。

 モバイルノートPCは、薄くて軽く、堅牢で、バッテリー動作時間もかなり長くなっている。ただ、画面は小さく、パフォーマンスもやや抑えられていた傾向だ。一方の据え置き型ノートPCは、画面こそ大きく見やすく、パフォーマンスも基本的に高い傾向だが、厚くて重く、バッテリー動作時間も短めなので積極的に持ち運びはできない仕様。──このようにノートPCは長い間、基本的にはこのように大きく2つにジャンル分けされ、それ以外の要素、仕様は他方の要素のためにあえて省略、あるいは割り切られ、ユーザーもどこかを割り切ってここまで進化してきた。

 ただ、2013年はもう違うのかもしれない。それぞれのよいところをそこそこ高いレベルでバランスさせた第3のジャンルのノートPC、それがUltrabookであり、これをさらに高いレベルまでガッと引き上げたのが、このLaVie Xだ。IPSで大画面+高画素液晶ディスプレイを搭載しながら12.8ミリという薄さ、1.56キロという重量は、現時点、他に並ぶPCはない。「PCは仕事道具。常に最良のものを使いたい」──そう考えるユーザーにとって、このオンリーワンの付加価値を考えると決して高い買い物ではないだろう。

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