シン・最強NASとなるか? 新規参入の実力派、ASUSTOR「AS-604T」:“熟練”の新興NASメーカー来襲(1/3 ページ)
台湾から新たなNASメーカー「ASUSTOR」が日本市場に参入してきた。ん? あそこのメーカーの製品に似てるって? でもそれは当然なのです……
基本機能は手堅く
台湾の新興NASメーカーであるASUSTOR(アサスター)の最初のプロダクト「AS」シリーズは、2ベイの「AS-602T」から8ベイの「AS-608T」まで計4モデルがリリースされている(ユニスターによる国内販売ページ)。型番の命名ルールはまだ不明だが、おそらく数字部分の末尾がベイ数を、上のケタはCPUなどの処理能力に基づくパフォーマンスを表していると思われる。実際、この6という数字は、某NASメーカーの「6」シリーズに相当するスペック、すなわち2.13GHz動作のデュアルコアAtomや、SO-DIMM DDR3 1Gバイト(3Gバイトまで拡張可能)という構成と同じだ。
一方、OSにはADM(ASUSTOR Data Master)1.0が採用されている。ADMはASUSTORの独自開発だが、unameの結果は「Linux」となっていることから、ベースは64ビット版Linuxと思われる。このADMでは、WebベースのマルチウィンドウをサポートしたUIを提供しており、そこから各種タスクを実行できる。タスクはマルチタスキングが可能で、Webのページ上に実行中タスクがタスクバーのように表示される。各タスクはウィンドウ表示され、ウィンドウの移動や最小化、クローズがデスクトップのような感覚で操作できる。特にファイルエクスプローラを複数起動したときの操作感は秀逸だ。
NASの基本機能としてはそつなくまとめられている印象だ。選択可能なRAID構成は2ベイ以上で構成できるJBOD、RAID 0、RAID 1、3ベイ以上のRAID 5、4ベイ以上のRAID 6、RAID 10と一般的なものはすべてサポートし、空きベイがあれば予備ディスクにも対応している。
既存構成からのマイグレーションも同一RAIDでの構成台数の追加、およびより冗長性の高いRAIDへの移行が可能だ。ただし、RAID 10についてはRAID 1で冗長化したボリュームをRAID 0で束ねて高速化するという構成上、シングルボリュームとRAID 1からの移行のみとなる。
ファイルの共有、マウント方法もWindows用のCIFS/SAMBA、Mac OS X用のAFTP、UNIX系用のNFS、そのほかFTP、WebDAV、iSCSIと、幅広くサポートしている。また、フォルダ単位でのアクセス制御とは別に、個別ファイル・フォルダに対して共有リンクを作成して、ローカルネットワークもしくはインターネット経由でダウンロードさせることが可能だ。フォルダに対して共有リンクを作成するとzip形式でフォルダ以下をまとめてダウンロードできるため、「zipでくれ」というわがままにも簡単に対応できる。
現在の家庭~SOHO向けNASでは、クラウド対応と称して外部からのアクセスを可能にする機能を有するものも多いが、ASUSTOR NASも対応済みとなっている。外部からのアクセスを許可することになるため、セキュリティ機能としてファイアウォール機能と一定時間内にログイン試行を指定回数以上失敗するとロックアウトするADMデフェンダーが用意されている。
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