「予想より好調です」――KabiniコアのAPU「Athlon/Sempron」がデビュー:古田雄介のアキバPickUp!(1/4 ページ)
SoCタイプの省電力APU「Athlon/Sempron」と、対応するSocket AM1マザーが一斉に登場した。ショップの不安をよそに、発売当初からまずまず順調に売れている様子。
“Kabini”登場に「サードパーティのクーラーが早く出てくれるといいなぁ」の声
4月9日、AMDの新プラットフォーム「AM1」に対応するAPUと対応マザーが発売された。
APUのブランドは上位の「Athlon」と下位の「Sempron」の2つ。ともに、オンボードタイプの省電力APUとして2013年から出荷している「Kabini」コアを採用したモデルで、TDPはいずれも25ワットとなっている。製品ラインアップは上位から「Athlon 5350」(4コア/2.05GHz)と「Athlon 5150」(4コア/1.6GHz)、「Sempron 3850」(4コア/1.3GHz)、「Sempron 2650」(2コア/1.45GHz)と並ぶ。税込み価格は順に6500円強、5500円強、4500円弱、4000円弱となる。
新型AthlonとSempronはチップセット機能も内蔵するSoC(System on a chip)タイプのプロセッサで、グラフィックスもRadeon R3世代を載せるなど、統合タイプでは比較的ハイスペックな仕様となっている。パソコンハウス東映は「Celeron J1900/J1800などの『BayTrail-D』CPUと比べると、消費電力はちょっと大きいけど、グラフィック性能は高いといった違いあると思います」と評価する。
売れ行きに関しては「省電力な小型マシン向けで定番の地位を築いているBayTrail-Dが圧倒的」との声が多いが、それでも予想以上の滑り出しを喜ぶショップも少なくなかった。
BUY MORE秋葉原本店は「もっと市場に無視されるかなと思ったら、意外と興味を持ってくれる人が多くてよかったです」とコメント。TSUKUMO eX.も「これからいろいろなレビューが出て、それなりの評価を受ければ徐々に広がっていくと思います」と肯定的に話していた。特にヒット候補に挙げられることが多かったのは、4コアで5000円を切っているSempron 3850だ。
ただし、ヒットして定着するには「サードパーティ製クーラーの早めの登場」が欠かせない条件らしい。試用したあるスタッフは「リテールクーラーの取り付けがすごく難しいんですよ。2点留めタイプですが、どうにもコツがつかめなくてかなり疲れました。それに小さなファンがついているのも気にくわない。TDP 25ワットならファンレスでもいいのに」とこぼす。似た指摘は複数のショップで聞いている。
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