「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15」のWiMAXハイパワーと有線LAN接続を試す。:注目WiMAX 2+ルータ詳細レビュー(2/2 ページ)
HWD14ユーザーが「これが欲しい!」といっていた機能が後継モデルで対応。その実力と効果を検証した。
有線LAN接続対応のメリットを確認する
HWD15で新機能となる有線LAN接続も検証してみよう。有線LAN接続が可能になることで有線LAN対応のみも少なくないAV機器などでインターネット接続が可能になるが、ここでは主に通信速度面でのメリットを確認したい。
有線LAN接続の通信速度面でのメリットを確認するには無線LAN接続も比較対象になるので、引き続いてHWD14、NAD11も交えて評価する。そのため、強電解エリアでのパフォーマンスチェックも兼ねている。検証条件は、測定場所以外をWiMAXハイパワーの評価と共通だ。すべてWiMAX 2+接続での計測としている。
まずはWiMAX 2+の電波状態が良好で、2.4GHz帯無線LANの干渉がそれほどないファミリーレストラン内での計測だ。無線LAN接続での計測で、全製品に2.4GHz帯のIEEE802.11nで接続し、NAD11のみIEEE802.11acでの接続も加えている。
HWD15は受信で30Mbpsを超え、HWD14から15%以上高速化している。計測結果もバラツキが少ないので“偶然”ではないだろう。同じ2.4GHz帯での無線LAN接続でもHWD15を上回ったのがNAD11で、IEEE802.11acでは平均でも40Mbpsに届きそうな通信速度を記録した。送信に関してはHWD14が振るわなかったもののHWD15とNAD11は誤差程度におさまっている。
次に、HWD15とNAD11でそれぞれ専用クレードルを使った有線LAN接続と、USB接続での比較だ。
受信速度では、HWD15の有線LAN接続はもちろん、HWD14からサポートしているUSB接続でも無線LAN接続を確実に上回った。その差は大きくないが、測定した場所で無線LANの干渉がそれほどないからともいえる。USB接続ではHWD14を確実に上回るものの、NAD11の結果には届いていない。USB接続はHWD14と共に1Mbps台を推移しており、NAD11の7Mbps台との差が気になる。
続いて、WiMAX 2+の電波状態は良好だが、公衆無線LANが非常に混雑している場所で測定してみた。まずは無線LAN接続だ。
ここでは2.4GHz帯無線LAN接続での受信速度は3製品であまり差が出ていない、トップはHWD15になった。ただし、NAD11のIEEE802.11ac接続はHWD15を平均で10Mbps近く上回っており、2.4GHz帯無線LANの干渉が大きく影響していることがうかがえる。
有線接続では、3製品とも無線LANに比較して受信速度の改善幅が大きい。HWD15はここでもUSB接続と有線LAN接続がほぼ誤差の範囲で、受信速度では有線LAN接続のメリットは見られない。ただし、HWD14に対しては同じUSB接続でも大きく上回っており、確実にWAN側の改善が見られる。なお、送信速度は無線LANよりもバラツキが大きく3製品共に低調な結果だった。NAD11も1Mbps台となっているが、受信速度を見る限り単純に計測時間のズレからくるトラフィックの影響とは考えにくい。WAN側に通信速度が低下する要因があると見るべきだろう。
ここまでの結果を見る限り、HWD15はHWD14に対して単にWiMAXハイパワー対応というだけでなく、WiMAXでもWiMAX 2+でも改善が進んでいる。クレードルを使った有線LAN接続はUSB接続に対しての通信速度でのメリットはあまり大きくないが、これについては、インターネット接続が可能になる機器が増えることが重要なメリットなので、USB接続に対して通信速度が見劣りしないだけでも十分だ。ただ、ピーク速度でNAD11を下回っている点は、後発の製品として気になる。
次回は無線LANアクセスポイントとしてのパフォーマンス、ハンドオーバー性能、WiMAX接続時のパフォーマンス、そして、NAD11との使い勝手の比較などについて検証していく。
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